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シドニー・ホワイトと7人のオタクのkuuのレビュー・感想・評価

3.4
『シドニー・ホワイトと7人のオタク』
原題 Sydney White
製作年 2007年。上映時間107分。
『白雪姫』を現代の大学に舞台を置き換えて映画化。
余談ながら、シドニーの名字は白雪姫のように白く(white)、タイラーの名字は王子(white)。
これは白雪姫と王子を指してで、レイチェルの名字はウィッチバーン(Witchburn)で、これも物語に出てくる魔女を指している。
7人のオタクたちとともに、高飛車な学園の女王に立ち向かうヒロインの恋と奮闘を描く青春ロマンティック・コメディ。
監督は『アメリカン・パイ in ハレンチ・マラソン大会』のジョー・ナスバウム。
出演は『ヘアスプレー』のアマンダ・バインズと『愛しのアクアマリン』のサラ・パクストン。
タイラー・プリンス役のマット・ロング。
若いなぁ『マニフェスト 828便の謎』ジーク・ランドン役ででてて全シーズン見たし親近感。

シドニー・ホワイトは幼い頃に母親を亡くし、それ以来、工事現場で働く父親と彼の仕事仲間に育てられてきた。
そんな彼女が念願叶って、かつて母親が通っていた大学に進学することになり、期待に胸を膨らませて新生活のスタートを切ることに。
昔から夢見ていた母親が所属した学生クラブの門を叩くシドニーだが、そこを支配していたのは傲慢で高飛車な金持ち娘のレイチェルだった。
彼女は価値観の異なるシドニーをいじめ抜き…。

今作品のタイトルは、海外の一部では"Sydney White and The Seven Dorks "ちゅう別タイトルで劇場に出荷されたそうな。
せやし、邦タイトルの『シドニー・ホワイトと7人のオタク』はうなずける。
dorkって、うろ覚えで間違ってたら申し訳ないけど、たしか1960年代にアメリカの大学生の間で『愚かな人』という意味の俗語として生まれ、元々は『ペニス』という意味があったとか。
その他に、俗語で、ばか、あほ、とんま、そして、のろまなんて意味があるけど、ニュアンス的には、暗い、ださい、おたくっぽい人のことを指すし、『7人のオタクは』の邦タイトルはピッタリっちゃピッタリやけど、7つのペニスも強ち間違いでもないかな。

今作品は、おとぎ話と同じタイプのキャラがほとんど登場する。
レニーはスニージー/くしゃみ(Sneezy)、テレンスはドッグ/先生(Dog)、ジェレミーはバッシュフル/てれすけ(Bashful)、ガーキンはグランピー/おこりんぼ(Grumpy)、スパンキーはハッピー/ごきげん(Happy)、エンベレはスリーピー/ねぼすけ(Sleepy)、そして、ジョージはドーピー/おとぼけ(Dopey)と、小人の代わりにドークが登場する。
アイデアは少し独創性に欠けるかもしれないが、今作品には、それを独自のものにする余地があった。
登場人物たちは興味深く、誰もが大学の "派閥 "に溶け込もうとするのではなく、ありのままの自分でいたほうがいいと気づく、愛すべき気持ちのエエ、また可愛らしい映画でした。
しかし、このジャンルのティーン向けコメディでは右に出る者はいないと思われるアマンダ・バインズの卓越した演技がなければ、今作品は惨敗していたに違いない。
それ以外の人たち、特に小洒落た金髪の女子やオタクたちは、大げさで誇張されすぎていて、彼ら自身を卑下した風刺画のように思えた。
小生もかなりのドークでオタクなので、この手の映画における他のオタクの解釈はたいてい無害で、常に最も一般的な特徴に固執していると感じるが、映画が基本的に、アレルギーや言語障害など、人生で持ちうるすべての型破りなものを彼らに与えるところまで踏み込むと、ただ威圧的になり、共感することが難しくなる。
まぁ、そないに深く考える必要はないんやろけど。
でもまぁ、彼らに対するいくつかのロマンチックな選択は、ただでさえ忙しい映画にいいアクセントを与えた。
今作品の巧みな点は、主役の女性主人公をダサくするという選択をしたことじゃないかな。
アマンダ・バインズの演技だけでなく、彼女のバックストーリーや趣味嗜好など、面白く書かれたキャラがなければ、今作品はどう評価されてたかな。
結論として、今作品の一番の特徴は、自分自身であること、そして、我々全員の中にあるダサさ、弱さ、オタクさを誇りに思うことを促していること。
あまり深刻に考えなけりゃ、今作品は気楽で、無害で、楽しい作品です。
アマンダ・バインズはこの当時までは輝いてたし、ラブストーリーはキュートで、オタクたちはちょっとやりすぎだけど、最終的には好感が持てるし、他の人たちもまあまあだったと思う。
白雪姫のビートや引用がちょっと場違いな時もあったけど、目をつぶれば問題なしの作品でした。

1990年代後半から2000年代前半にかけ、ニコロデオンチャンネルを中心に子役として活躍していた、今作品、主演のアマンダ。
人気のピークを過ぎた今作品の前後のころから、イケないモンやアルコールに依存するようになり、違法運転やドラッグの所持などで警察に逮捕されたりして現在に至る。
また隣人宅の私道に火をつけるなどの問題行動も起こしていたって、ネットニュースで見た所に、ふと、Netflixに今作品がオススメで出てきたし、再生ボタンを押してみたが、是非とも、ゴミのゴシップじゃなく銀幕に復活してほしいものです。
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