育児放棄された子供の心の中は、どんな景色なんでしょう?
想い出にチカラを借りた心の岸辺に花が咲くことはあっても、次第にその花も枯れていくのでしょうか?
シリルはただ、父親と一緒に暮らしたいだけ。
だけど、それが叶わない。
受けとめづらい現実に、子供心が乱れてしまうのは仕方のないこと。
唯一、残された…父親とのつながりの証が、大切にしている自転車。
そんなシリルに、無償の愛でもって手を差し伸べるサマンサ。
傷ついたシリルの心が、サマンサの心までをも傷つけようとする。
それでも、愛で包み込もうとするサマンサの母性に救われるシリル。
さまざまな感情を乗せて走る自転車が、本当の主人公のよう。
血のつながりよりも尊いものは、きっとある。
人は誰かとつながることで、それがほんのささやかな一筋の光だとしても…幸せの意味を見出せるのだと思います。
いつだって可笑しいほど 誰もが誰か
愛し愛されて生きるのさ
それだけがただ僕らを 悩める時にも
未来の世界へ 連れてく
…きっと、そういうこと🧡