少年と自転車の作品情報・感想・評価

「少年と自転車」に投稿された感想・評価

hisauk

hisaukの感想・評価

4.0
施設で生活を送る11歳のシリル。父親に捨てられた事を受け入れられずにいる。
偶然出会った美容師のサマンサは週末だけの里親を頼まれる。
父親探しの手伝いをするも、父親に会ったシリルは父親に冷たい態度をとられてしまい…。

リュック・ダルデンヌ、 ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督作品

とても切ない。

このレビューはネタバレを含みます

階級社会フランスだなぁとつくづく思う。

弱い立場の少年には、身の回りのことを相談する人がいない。
ゆき

ゆきの感想・評価

3.5
シリル少年のまっすぐさが逆に、哀しくなる。
自転車、何回も盗まれそうになるんだけど、鍵をかけるって方法はこの地域では無いの?
そして、シリル君、運動神経良すぎでしょ!
このお姉さん、損得なしに里親になってくれるってすごいよねー。
どんだけ覚悟いるのー?ってなる。
シリル君、本当は素直な良い子だよね。
少年は可哀想な境遇だと思うが、ちょっと乱暴過ぎやしないか、とヒヤヒヤする場面も。それでも会ったばかりの人に「里親になって!」と言う大胆さは感心する。
週末だけでも里親になるサマンサはとても寛大な女性で、他人の子供に無償の愛を注ぐなんて中々出来る事じゃないが、彼氏より少年を選んだ時はグッと来た。荒くれ者の少年が少しずつ温和になって行く様、2人で自転車に乗って走る姿は美しかった。
求める愛と、行き場のない愛と、偽りの愛と、無償の愛。

この映画では「育児放棄された子ども」のケースを描いているが、この状況に限らず子どもにとって必要な愛と環境とは何かを考えさせられる話。

親父に責めがいきがちだと思うけど、あの人の事情も鑑みたら悲しいけど無理ないのかなぁ。

ラストの終わり方がとても印象に残る。
久しぶり、三度目の鑑賞。

全く無駄のない傑作。ある意味、アクション映画より、アクションしてる。

少年と甘やかすことなく、ちゃんと禊を受けさせるラストが素晴らしい。

その厳しくも優しい眼差しは映画の良心そのもの。
目がモノを言う役者ってずるい。BGMが殆ど無く、エンドロールで流れる音楽だけで作品を象徴できるのが良い。
baby

babyの感想・評価

3.8
本当にリアルで丁寧な
描写が心に残りました。

ただただサマンサという存在に
感謝の気持ち。サマンサ自身も
きっとシリルの存在が大切に
なくてはならない愛で一杯に
なっていったんだろう。サマンサの
行動と愛は紛れもなく本物で
素敵。でも、彼女だけは決して
惜しみの気持ちで引き取っている
訳ではない。それがひしひしと
伝わってきて唯一の救いでした。

苦しい。それでもなお苦しかった。
最初から最後まで苦しい。
全てにおいて誰が悪いって
言えない自分に気付いてしまい
ただシリルの真っ直ぐ見つめる
瞳だけが心に残りました。
大人を信じることができない少年(しなしながら実の父親だけは信じ続ける)を無償の愛で包むサマンサの姿勢に気づかされる部分がたくさんあった。2人が自転車をこぐシーンがとても印象的。
父親から育児放棄された孤独な少年の話。

父親を求めるあまり、善意ある大人を敬遠し、悪さをする大人達に加担してしまう。



年頃の少年の微妙な心境を、セリフではなく表情や態度で的確に表現。

安易なハッピーエンドにしない脚本も良い。
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