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カンフー・パンダ2のkuuのレビュー・感想・評価

カンフー・パンダ2(2011年製作の映画)
3.8
『カンフー・パンダ2』
原題 Kung Fu Panda 2.
映倫区分 G
製作年 2011年。上映時間 90分。
思いがけずにカンフーマスターを目指すハメになったパンダの主人公ポーの奮闘の日々を描いた、アクション・アニメーション『カンフー・パンダ』の第2弾。
今作では、カンフーの達人たちと暮らしていたポーの前に中国制覇をもくろむ孔雀のシェン大老の軍勢が現われ、激しいバトルが勃発する。ジャック・ブラックを筆頭とした前作の声優陣に加え、ゲイリー・オールドマン、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ミシェル・ヨーが新たにボイスキャストとして参戦。
本作で初めて明かされるポーの出生の秘密などサプライズ満載の痛快作。

伝説の龍の戦士となったポーは平和の谷を守るため、カンフーの達人、タイガー、モンキー、ヘビ、ツル、カマキリの“マスター・ファイブ”と共に暮らしていた。
ある日、見たこともない強力な武器のバスーカ砲を操って中国制覇の野望を抱くシェン大老の軍勢が現われ、ポーたちは立ち上がる決意をする。。。

ジャッキーチェン初期の蛇拳、拳精などの映画で動物の動きを真似たカンフー(少林寺拳法)を知った。
ただ、今作品に登場するキャラ達がつかう獣拳てのは、実際の中国ではそういう名前の拳法は存在していないって聞いてガッカリした時があった。
本来は、少林五拳、或いは、五形拳、五象拳、などの名で云われてて、羅漢拳と共に少林拳の中では、源流に当たる拳法やそうだ。
元々、少林寺では拳法ではなく、棍法(棒術)から始まったそうで、これを少林棍法と呼んでいたのだが、羅漢拳の創始者である秋月禅師が、諸国を巡っていた時に出会った白玉峰という拳法の使い手と共に少林寺で修行しながら編み出されたものである。
そんな、流派の始祖たちとも云えるマスター・タイガー、マスター・ヘビ、マスター・モンキー、マスター・カマキリ、マスターツルなどは、虎、蛇、猿、蟷螂、鶴とわかるが、主人公ポーは何やろか?熊拳ちゃうなぁ~💡ウーグウェイ導師に『龍の戦士』に任命されてるし、龍の拳の始祖になんのかなぁなって考えたらクスッとくる。
余談が過ぎましたが、今作品は、続編のあるべき姿を多く備えてたかな。
登場人物の上に構築され、より大きく、より個人的なプロットが作られ、そのテーマは以前よりさらに深くなってました。
ポー(ジャック・ブラック)は、猛烈、猛獣かな笑な5人組に完全に受け入れられたが、新しい武器で中国を征服しようと企むシェン大老ちゅう名のクジャクと戦うことを余儀なくされている。
表面的には大したことないように見えるけど、ポーは両親が自分を捨てた理由がフラッシュバックし始め、それがそのままシェン本人にリンクする。
このようなストーリーは、設定や主目的が比較的単純であるにもかかわらず、この映画には非常にハートフルで、驚くほど感情的な核があり、まさに良いものです。
今作品は、ポーの物語のように感じられ、他のキャラがもっと開発されていないってのは否めないが、まぁ、それは正しいちゃ正しい選択でした。
彼の本当の両親に何が起こったのか知りたくなるし、すべてを経験した結果、彼はヒーローとして成長する。
ジャック・ブラックがいつも通り役作りに励み、ナイーブでありながら愛すべきキャラとして、とてもバランスが取れていることに感心させられます。
マスター・ファイブは相変わらず楽しいし、脚本家は彼らに適切な量のセリフを与え、感情移入できるチームにするためにエエ仕事をしたと思います。
シーフー老師は登場回数が少なかったけど、それでも出てくると楽しい。
んで、間違いなく最高なのはシェン(ゲイリー・オールドマン)。
この悪役は威圧的であると同時に実に滑稽であり、多くの場合、どちらか一方が強すぎるんやけど、ここではそれが見事に成功してた。
彼は決して真面目すぎず、おふざけもせず、良いバランスを保ってました。
彼は自分の行動を説明するバックストーリーを持っていて、ポーの精神的な旅とつながってる。彼のアニメーションは良かったし、オールドマンは俳優ながら声優も安定感あった。
今作品が良く機能している主な理由のひとつは、感情に訴えるインパクトがあるんやろな。
登場人物たちは皆、自分のしていることに正当な理由があり、彼らの感情や欠点も十分に表現されてた。
ポーと養父のミスターピンさん(ジェームズ・ウォン)のシーンは感動的で、かつ面白い。
フラッシュバックはオヤジながら涙を誘うことさえありました。
ドリームワークスのアニメーションはシャープで生き生きとした作品に仕上がってたし、キャラデザインから古代中国の風景写真に至るまで、ほとんど良かった。
ハンス・ジマーとジョン・パウエルによる音楽も、適度な癒しのメロディーと、アクションを効果的にバックアップするアップビートな楽曲で、プラスに作用している。
今作品はバランスが良い。
ストーリー自体も面白かったし、映画が進むにつれて展開されていく様はまさに圧巻。
コメディやユーモアがふんだんに盛り込まれている一方で、ダークでエモーショナルな題材にも決して逃げない。
感動と笑いが同居する作品でした。
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