踊る猫

愛しのタチアナの踊る猫のレビュー・感想・評価

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)
3.8
コーヒーを美味しそうに飲んでいるシーンから、私はジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』を連想してしまった。実際にこのふたりの監督は個人的につき合いもあるそうで、そう考えてみれば『愛しのタチアナ』はオフ・ビートな佇まいを残したロード・ムーヴィ―なのではないかという印象を抱かせる。相変わらず登場人物は冴えない。そこがカウリスマキ的と言えば言えるのかもしれない。人生におけるパッとしない負け犬の、妄想を含んだ日々の記録……そう要約してしまってもいいのかもしれないのだけれど、どことなく愛すべき存在のように感じられるから不思議でもある。繰り返しになるけれど、多分それがカウリスマキの力なのだろうと思う。「敗者三部作」を観たくてウズウズしている。
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