えいがうるふ

ラストキング・オブ・スコットランドのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

悪名高き実在の暴君アミン大統領にからんだ話なので、エンターテイメントにするのはそもそも難しいし、ならば一体どのような脚色で映画としてのドラマを成り立たせるのかと思っていたら、なんじゃこりゃな内容だった。
医大を卒業したばかりの世間知らずの若者が、何も考えずにダーツの旅気分でえいやと選んだウガンダに来て、僻地医療に貢献するかと思いきやたまたま出会ったアミンに気に入られあっさり方針を変えて都会へ繰り出し、独裁者の腰巾着におさまって豪勢でお気楽な暮らしを楽しんだ挙げ句、アミンの恐怖政治にようやく気がついて恐ろしくなり、エンテベ空港のハイジャック事件のどさくさに紛れて国外へ逃げ出すまでの話。主人公が手を出したアミンの妻や彼を助けてくれた善良な医師は無残に虐殺されるが、本人は命からがら脱出成功。なにこれ?

主演二人の演技は申し分なく、もちろんそこに文句はない。でもとにかく最初から最後までひたすら女好きで無責任な主人公がアミン以上に胸糞すぎて不快でしかなかった。
イギリス植民地軍の炊事係だったアミンがいかにウガンダの大統領にまで登りつめたか、その経緯や悪政の実態や背景にあった国際政治の権謀術数の核心にゴリゴリ迫るでもなく、観る者に何を訴えたいのか分からなかった。こうなったらラストにすごいカタルシスが待っているのかも!と思いつつイライラを抑えて最後まで観たが、自分にとっては完全に時間の無駄だった。

ところで鑑賞後にあれこれ疑問に思って取り急ぎアミン大統領のwikiを参照したところ、一番想定外だった情報は以下の一文だった。
「さだまさしは名前の響きが面白いと思い、「パンプキン・パイとシナモン・ティー」(アルバム『夢供養』収録)に出てくる喫茶店の名前を「安眠(あみん)」と名づけた。さらに、さだのファンだった岡村孝子は、この名前を取って自らのユニット名を「あみん」とした。」

まさか本当にこの人物があのアンニュイかつ優しげな印象の女性ボーカルユニットの名前の由来だったとは知らなんだ・・・