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ダーティハリー4のabeeのレビュー・感想・評価

ダーティハリー4(1983年製作の映画)
4.2
【できる男ハリー】

クリント・イーストウッドの避けられない汚れ仕事④

シリーズ4作目にして遂にここまで面白いものを出してくるとは。
完全に想定外です。

そして、相棒を毎度死に至らしめてしまう死神・ハリー。
遂に相棒が犬になります。
しかもゴリゴリのブルドッグです。
また、この犬がしっかり相棒の役目を果たすのですよ。

この「ダーティー・ハリー」シリーズ、私は刑事ドラマの皮を被った西部劇だと思っておりました。
4作目は正にそれ。
4作目にしてクリント・イーストウッド自らメガホンを取ったというのもありましょう。
彼の持つ男の美学を感じる一作でした。

だからこそ、刑事ドラマとして観た時、ラストは「それで良いのか?」と感じるところではあるのです。
でもサンフランシスコ市警のつまはじき者であり夕陽のガンマン・ハリーですから。
己の正義に従えばそれで良いのです。
どちらにしろ、最初から事件の詳細を知ってたら殺してたでしょうし笑

一作目からずっと思っていたことなのですが、この作品群は「古畑任三郎」方式で物語が進みます。
最初から犯人が分かっているのですね。
ミステリーではなくアクション映画なので犯人とドンパチやることが主題ですから別に良いんですけどね。
今作は「古畑任三郎」方式がとても活きる演出だったと思うのです。
犯人側のストーリーも丁寧に描いてあるので結末が現実では無茶であっても観客を納得させる説得力があります。
それもハリー・キャラハンという男を4作演じて積み重ねてきてますから。ハリーだからこそ納得のオチだと思います。
逆に一作目からちゃんと観てないと納得できないでしょうね、このオチは。

ということで、毎度お馴染みの決め台詞で悪党を成敗したハリー。
遂に来週ラストだなぁ。
不安なのが、個人的に5作続いたシリーズもののスコアとしては「ダイ・ハード」と同じ感じで上がったり下がったりしてるのです。
「ダイ・ハード」の5作目は散々たる結果でしたからね。
若干の不安が募ります。
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