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祝(ほうり)の島
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『祝(ほうり)の島』に投稿された感想・評価

「ROMA」を彷彿とさせるゆったりとした長回し。ああなんか眠いなぁって感覚が最高に気持ちよかった。

島人の幸せを知れば知るほど、原発の恐ろしさを感じる。

山口県上関町祝島。瀬戸内海に浮かぶこの島は、台風が直撃することも多く、岩だらけの土地には確保できる真水も限られ、人が暮らしやすい環境とは決していえない。
その中で人々は、海からもたらされる豊穣な恵みに支えられ、岩山を開墾し、暮らしを営んできた。そして互いに助け合い、分かちあう共同体としての結びつきが育まれた。人間の営みが自然の循環の一部であることが、祝島でははっきりと見える。

「海は私たちのいのち」と島の人は言う。
1982年、島の対岸4kmに原子力発電所の建設計画が持ち上がった。「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」という祝島の人々は、以来28年間反対を続けている。

効率と利益を追い求める社会が生み出した原発。大きな時間の流れと共にある島の生活。原発予定地と祝島の集落は、海を挟んで向かい合っている。

1000年先の未来が今の暮らしの続きにあると思うとき、私たちは何を選ぶのか。いのちをつなぐ暮らし。祝島にはそのヒントがたくさん詰まっている。

ぜひぜひ
山口県上関口町祝島。瀬戸内海の離島。中部電力の原発誘致に絡んで賛成反対で町が分裂。反対派は28年運動を継続してきた。

そんな状況の中、反対派の罪や山や田んぼの暮らしをゆったりと追う。消え去らない人工物は圧倒的な悪である。原発はその一つだろう。

本作は2010年の公開だが、翌年の福島原発が明確にそして悲劇的にその暗黒面を世界中に晒してしまった。

それでも1982年の計画発表以来、東北の未曾有の震災を経てもなお中部電力は新設を諦めておらず、島の分断は40年目を迎える。原発の被害はメルトダウンする前から起こり続けている。
☆☆☆

※ 鑑賞直後のメモから

原発賛成派に対して、大挙して駆け付ける島民達。やがて揺れる町議会。
騒がしい導入に反して、映画全編はかなり静かに島民の生活を見つめている。
よく言えば静謐だが、悪く言えばメリハリがない。

上映終了後に監督自身から、2年間通い続けた…との言葉が。
ドキュメンタリー作品としてならば。原発がある事での悪い面と、原発でもたらされる重要性の両面とを比較する、賛成派の意見双方を並行させた議論も必要な気もするのだが…。

何となくなので、間違った感想なのは承知の上で書きますが。おそらく監督本人は、自身が意識していない内に。島民との触れ合いに、心の中のどこかで感化されてしまった様に、作品を観ていて少し感じた。

2010年6月29日 ポレポレ東中野

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