なお

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のなおのレビュー・感想・評価

4.0
「ハリー・ポッター」シリーズ第3作。
前2作で監督を務めたクリス・コロンバスに代わり、本作ではアルフォンソ・キュアロンがメガホンを握る。

またみんなの校長先生、アルバス・ダンブルドアを演じていたリチャード・ハリスが『秘密の部屋』を遺作とし急死。
そのため本作からシリーズ最終作である『死の秘宝』まで、アイルランド出身の名優、マイケル・ガンボンがダンブルドアを演じることに。

皆さん気づきました?私は気づきませんでした。

✏️守護霊よ来たれ
「エクスペクト・パットロォナァァァァァム!!!!!!」

…もはや「名言」と呼んで差し支えない、本作でハリーが覚える魔術。
公開当時、自分の小学校では鉛筆を持ってこの術を唱えるのがプチブームになってました。

てなわけでシリーズ第3作。
ハリー、ロン、ハーマイオニーは魔法学校3年生となり、身長は伸び顔立ちから幼さは消え、すっかり大人な雰囲気に。
やはりこういう長年続く映画シリーズは、俳優が年齢とともに成長していく様を追いかけていくのも醍醐味の一つですな。

本作では、前2作でも少しずつ語られていたハリーの両親の死の謎と過去についてより深くメスを入れることで、本作そのもののみならずシリーズ作としての奥行きに更なる深みが生まれたように感じる。

また先にも語った通り、全体的に暗い色調のシーンが多く、ダークファンタジー的な色が強い。
吸魂者(ディメンター)や人狼といったこれまたダークファンタジー感強めの敵キャラを投入することで、よりその傾向に拍車がかかっている。

と思えば、ハーマイオニーがいつの間にかマクゴナガル先生から譲り受けたという「時間を巻き戻す砂時計」でタイムリープ。
SF映画一歩手前のような設定で、未来を変えるため過去にジャンプするこの鮮やかな流れは個人的に膝を打った。

物語のオチ、というかクライマックスは前2作と比べると少し地味かな。
前2作では倒すべき敵が最後に現れて、その敵を倒してハッピーエンド…という分かりやすい流れがあったが、本作では敵に逃げられているし例の囚人、シリウス・ブラックは結局いいヤツだったので特にお咎めなし。
このあたりも前2作とは異なる色があって特徴的ではある。

☑️まとめ
全体的に暗い雰囲気でクライマックスも地味だけれど、ハリーとハーマイオニーが砂時計を使って過去の自分たちに干渉するシーンはそのへんの下手なSF映画よりも面白かった。

ハリーの両親の過去と、その死の謎を深掘りすることで本作以降の作品をドラマとしてより面白くしよう!という意気込みが見られる作品。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:12(4)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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