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金田一耕助の冒険のHKのレビュー・感想・評価

金田一耕助の冒険(1979年製作の映画)
3.5
古谷一行氏の追悼でセレクトしましたが、こんなに古い作品だったっけ?
昔何回か観てますが、ひさしぶりに観ると出てる人みんな予想以上に若かった!
この人は映画よりTVでよく見てたので、思いつく主演映画は本作と『ジャズ大名』くらい。
本作は古谷一行(当時35歳)がTVでハマり役だった金田一耕助を映画で演じた唯一の作品。

もう全編ギャグとパロディです。
まあストーリーらしきものもあるにはあるんですが、もう脈絡の無いギャグといろんな映画のパロディと公開時点(1979年)のTV-CMネタのオンパレード。
当時のマキシム、アデランス、デリッシュカレーなんかのCMを知ってるのは今や50~60代の人だけでしょう。
当時の他の角川映画の登場人物やセリフなんかも今どれだけの人がわかるのか。
というか、はたして当時でもどれだけの人がわかったのか。
私も今観ても原典不明の箇所が多々あります。
本作ももう完全に観る側より作る側が楽しんでますね。

次々に登場する大御所から今いずこという人までスゴク贅沢な顔ぶれ。全員が貴重なコントを披露してくれます。
ワンシーンだけの友情出演もざら。こんな人まで!という人がセリフもナシに画面の隅に映っていたりするから油断なりません。

金田一とコンビの等々力警部役の田中邦衛(当時47歳)もここまでのギャグ演技は珍しい。
本作で映画デビューしたメインキャラのひとり熊谷美由紀(現 松田美由紀:当時18歳)がこの後に松田優作と結婚し、龍平や翔太の母になろうとは誰も知る由も無し。
しかし、あらためて観ると今や亡くなってる人ばっかりだな~。40年以上前ですからね。
芸名が悠木千帆から変わった直後の樹木希林(当時36歳)もまだ若いな~。

オープニングは角川文庫の表紙にもなった和田誠のイラストのアニメでしたが、後に角川映画『麻雀放浪記』で監督デビューしたのはこのときの縁だったとか。
大林監督も角川映画とのこの出会いが無ければ、この後の『時をかける少女』も無かったわけですから、当時は酷評ばかりの角川映画でしたが、なにがどうなるかわかりませんね。
なんだかんだ言いながら、やっぱりとても贅沢な作品と言えます。
え?Filmaの評価こんなに低いの?
やっぱりか・・・キライじゃないけどな・・・
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