大学の課題で鑑賞
[あらすじ]
上手く思いを伝えられない中年カップルと、気持ちがすれ違う若い男女。
シュールな群像劇で紡がれる唯一無二の人生賛歌。
ロイ・アンダーソン監督、独自の作風が爆発するリビング・トリロジーの第2作目。
[感想]
初めて鑑賞したロイ・アンダーソン作品でありながら、未だに監督の最高傑作だと思う一作。
(というか、本作を鑑賞していれば、他作品は観なくてもいいような気でさえする。笑)
「漠然とした不安」や「悪夢」を一貫して描いている監督にしては、珍しく「明るい」場面の印象が強く、その部分が個人的には、お気に入り。
監督のコメントやインタビューによると、人間の哀れな部分や不安感、悪夢を描くことで、逆説的に「人間の素晴らしさ」を描こうとしている印象を感じるが、そんな遠回りをしなくても、シンプルに本作のような作品を作ってほしいというのが、個人としての意見だったりする。
ちなみに、本作に影響を受けまくった結果、大学の部活で固定カメラ&ワンカットの短編映画を作りまくっていたら、観た人の8割にコントと言われました。
早く、ロイ・アンダーソンになりたいです。
[お気に入りのシーン]
前述の通り、本作鑑賞のきっかけは大学の課題からでした。
その内容は「候補作品の中から好きな映画を選んで、お気に入りのシーンを分析する」というもの。
作品難易度の高い順から『去年、マリエンバードで』『愛おしき隣人』『アメリカン・ビューティー』『卒業』『ビッグ・フィッシュ』がリストアップされており、『去年、マリエンバードで』の鑑賞が困難だったため、本作を選びました。
というわけで、今回は、当時、提出した文章を、そのまま掲載します。(半端ない手抜き感。笑)
<以下、ネタバレ注意>
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<お気に入りのシーン>
1時間14分00秒あたり~
「夢の中、結婚式が終わった様子の新婚夫婦が、マンションの一室でホッとしているカット」
<説明>
映像面において、新婦が靴下を脱いだり、お祝儀を開けることで、セリフがなくとも結婚式の後という状況を説明していたのがとても映画的だった。
作品上としては、 序盤の愛をうまく伝えられない中年カップルとは対比的に、幸せそうな若者カップルが描かれており、この作品のメッセージの1つ、人生には悪いこともあれば良いこともある、ということを強調していたように思う。
クライマックスに至るまで憂鬱だった世界観は、このシーンで見事に切り替わる。
本作の序盤、理不尽な状況に追い込まれる男の夢とは対照的に、幸せな状況のカップルを描くことで、作品のメッセージの1つ、"人生は悪いこともあれば良いこともある"ということを表現していたと思う。
また、序盤では他者との関わりの煩わしさを強調するように隣人同士のトラブルが描かれていたが、このシーンでの他者はカップルの結婚を祝福する存在として描かれ、他者との関わりの嬉しさを強調していたように思う。
本作に登場するのは哀れで、はた迷惑な人達ばかり、放蕩息子や泥棒、会話がまるで噛み合っていない人達、そんな彼らの顔は白塗りのメイクによって、ほとんど生気がないように見える。
現代では、メンヘラやかまってちゃんという言葉にも代表される彼ら。
しかし、人間は誰しも、誰かに何かしらの迷惑をかけて生きているわけで、そういう意味では誰しも哀れな人と呼べるのかもしれない。
しかし、このシーンからは、そんな人間を何かしら肯定する様なあたたかいまなざしが垣間見え、まるで人間讃歌の様なメッセージを伝えているように思った。
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P.S.
改めて読むと、今以上に雑な文章で笑いました。
参考
部室にて。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rGl7SAFDzRI&list=PLlbqW2NfLgQ0s2WZ8wtdsSduvO1t0SKWi&index=2
(非)日常。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=LwP9BTXlS74&list=PLlbqW2NfLgQ0s2WZ8wtdsSduvO1t0SKWi&index=4
太陽の塔研究会 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hIx6eHZyGcA&list=PLlbqW2NfLgQ0s2WZ8wtdsSduvO1t0SKWi&index=5
(コントと言われた作品群。←とりあえず、1カット1シーンにすれば、映画になると思ってましたよね。若気の至りがすぎる。笑)