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ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カットのkoyamaxのレビュー・感想・評価

4.3
不器用な生き方しかできず、時代に取り残されながらも信念に生きた男たち。

行けばどうなるのかわかっているけど、行くしかない。そんな男たちの心意気を見たくて鑑賞しました。

銃撃、爆破、橋の崩壊も含め、ある意味大規模なエレメントをそのまま撮っているので、壮大な破壊現場ドキュメンタリーと言えなくもないです。お話がなくても十分凄い画です。凄い時代です。

お話は、大規模な銀貨強盗に失敗し、逃れ逃れた先、いろんな事情により、仲間の一人が捕まり、悲惨な拷問に。仲間を救うため、行けば死ぬとわかりきった状況の中、たった4人で死地へ赴くということですが、、

すべてはラストの銃撃のために。有名すぎる圧巻の銃撃戦ですが、行き場を失いじんわりと追い詰められた男たちのやるせない思い、怒り、いままで溜めていた感情すべてが炸裂するかのような銃撃戦。感情と映像表現が一致するこの瞬間は他では得難いカタルシスがあります。

ここにいたるまで、自分たちの内に秘めた感情について言及するようなセリフはありません。みんなで酒飲んで、女を抱いてでかい声で笑っているくらいです。そこの描写のバランスこそがこの作品の、サムペキンパーのカッコよさなのかもしれません。

ちなみに主要人物は皆むさ苦しい男たちですが、男に抱かれる女たちが何人か登場します。彼女たちが皆一様にエロく美しいのもまた素晴らしいコントラストです笑


学生時代にうだるような暑さの中クーラーも無い部屋で半ば閉じ込められて鑑賞した事があり、それ以来の鑑賞です。
映像の熱さと部屋の暑さも相まって意識朦朧となり。トラウマに近い体験でした。。10代の頃に観て、「死に場所を求める男達の美学の物語」だなんて、思えませんでしたけどね、思ったとしても受け売りの記号解釈だったかもしれません。
そして今もわかっているとは言えません笑
わかったことはスローモーションはドラマチックだな、と笑
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