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カポーティのkuuのレビュー・感想・評価

カポーティ(2005年製作の映画)
2.5
『カポーティ』原題Capote.
製作年2005年。上映時間114分。

カポーティ本人にそっくり(写真しか本人を見たことないけど多少控えめやけど似てる)演技を披露したフィリップ・シーモア・ホフマンが主演の米国ドラマ。

農家の一家4人が惨殺された事件を聞きつけたカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、この事件を題材に雑誌の記事を書くことを思いつく。
ザ・ニューヨーカーの編集者ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に話を持ちかけたカポーティは事件のあったカンザス州に向かうことを決心する。

カポーティを演じるのはフィリップ・シーモア・ホフマン。
『ブギーナイツ』で巨根のポルノ男優に惚れてフラれるデブ野郎。
『ハピネス』で恋した女子にイタ電してケツ出して四股四股男汁をノリ代わりにしてカノジョの写真を壁に貼り付けていたデブ野郎。
あのフィリップ・シーモア・ホフマンが。
小指を立てながら体をクネクネさせ、キンキン声で登場しとるのはデブ専は全員昇天だ必至。
今作品は、カポーティが『冷血』を書いた6年間を追ってる。
1959年、カンザスで起こった 一家4人惨殺事件を新聞で知ったカポーティは、これを取材して本を書こうとするんやけど。
カポーティは世界最初の『アイドル作家』やったんちゃうかな。
ティファニーで朝食を』 やら『夜の樹』とかベストセラーかな。
私的ながらスタイリッシュな文体は大好きっす。
翻訳版やと村上春樹訳が好きかな。
関係ないけど、図書館で『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』借りてきたし読むのが楽しみ。
話はもどり、
1948年、25歳で 『遠い声、遠い部屋』 でデビューした時は美少年っぽい写真を裏表紙に載せて、自分を売り出した。
しかし、97年にはふくよかを越え太って容貌は衰え、小説家としてもネタ切れ、経済的にも行き詰まって、犯人の二人組が逮捕されると、カポーティは獄中に面会に通った。
主犯のペリーにカポーティは自分の不幸な生い立ちを語って共感を示し、『世間は君を血も涙もない人殺しだと思っているが、人間とし ての君を知りたい』と説得してインタビューをとりつける。
私的ながらスタイリッシュな文体は大好きっす。
せや、ニューヨークに帰るとカポーティはプラザホテルの文壇バーでタキシードを着てマティーニのグラス片手に文壇仲間相手にペリーのことを『金鉱を見つけたよ』なんてクソ自慢する。
ペリー はカポーティが自分を取材した本に『冷血』という題名をつけたことを知って裏切られたとキレる。
また、カポーティはインタビューする前は弁護士を探すなどしてペリーの死刑を引き伸ばそうとしたんやけど、インタビューが終わってしまうと、ペリーがいくら懇願しても弁護士探しに協力しいひん。
そして死刑が決まると、面会にも行かなくなる。
ペリーからかかってくる電話から逃げ続けるカポーティ。
作家に限らず、悲劇的な実話を取材するすべてのメディア関係者は、被害者と犯人の不幸を利用してメシを食っている。
しかしペリーはカポーティに許しを与えて死刑台を昇る。
まるで人類の原罪を背負って十字架にかけられたキリストのように。
『冷血』はベストセラーになるけど、カポーティはその後、小説を書くことができなくなった。
自己嫌悪に苛まれたカポーティは罪の自覚があるだけマシかな。
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