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あの頃ペニー・レインとのabeeのレビュー・感想・評価

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)
4.6
【愛がないと泣いて耐えてないで踊り続けよう。】

名作再鑑賞。

でも、実は全編は観てなかったんですよね。
確か高校生くらいの時、夜中に目が覚めてたまたまテレビをつけたらやってたんですよ、「あの頃ペニー・レインと」が。
ちゃんと観てないくせに圧倒的に好きな映画だったんです。
ちゃんと全編観て、胸を張って好きな映画だと言いたい。

好きな映画です‼︎‼︎‼︎

何が良いって⁇
もう全部ですよね。

まず邦題が最高。
原題は直訳すると「ほとんど有名」。要するにブレイク寸前という意味。
でも、本編観たらばこの邦題の素敵さったらないでしょう‼︎
このアートワークと相まって甘酸っぱい妄想が掻き立てられるよね‼︎

ストーリーは冴えない系ロック少年のウィリアムが送った音楽記事が有名音楽ライターの目に留まり、地方の音楽雑誌に「ブラック・サバス」の記事を書いてみろと言われるところから始まります。
「ブラック・サバス」の記事を書くためにフェスのバックステージに潜りこもうとするがあえなく失敗。
会場に入れず困り果てていたウィリアムはバンドマン達から「ロックの女神」と呼ばれる美少女、ペニー・レイン、そして新進気鋭のバンド、「スティル・ウォーター」のメンバー達と出会う。
この出会いがウィリアムの人生を一変させる。

本当にたった一回、しかも中途半端に観てたので、正直今観ても好きと言えるか不安だったのです。
というのも、この作品は10代の少年少女の恋愛や夢、そして葛藤を描いた青春映画。
アラサー女にも響くのかと。

この作品の素晴らしいところは10代の初々しさや痛々しさを「20年後の主観」で観れることだと思います。
20年後のウィリアムやペニー・レインは私たちなのです。
彼らと同じ世代で作品を観て共感や憧れを見ることはもちろんですが、最終的に20年後の目線から彼らを観ることを前提とした作品作りになってると思うのです。

挫折が未来を作ること。
今の私たちはそれを分かっているし、それが笑い話になることを知っている。
今が楽しければそれで良いし、その日その日を楽しむことが1番なんだけれど、楽しさと幸せはいつも一緒じゃないよね。

ペニー・レインは本当に可愛い。
打算じゃなくてみんなに愛される理由が分かる。
ラッセルが優しいからじゃなく、ペニー・レインだから作れた彼女、ウィリアム、スティル・ウォーター、それぞれの未来。
あんな女の子になりたかったなぁ…

ということで、音楽ムービーにしては珍しくストーリーの方が心に残る良作。
月並みですが、エルトン・ジョンの「tiny dancer」をみんなで歌うシーンが最高です。

皆さんの青春にもペニー・レインがきっといたはず。
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