新潟の映画野郎らりほう

アメリカン・ギャングスターの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

3.8
【'70年代米時世を反映した正悪概念】


俳優の演技を堪能させつつ 細部ディティールに目配せし、最終的にドラマ主体へと帰結する ~ これこそアメリカ映画の最良の部分だろう。

異なる二者を錯時させ それぞれが各々の世界での位置を確立する迄を丁寧に追う。 両者の距離が接近する毎にサスペンスが色を帯びてゆき、その緊張は最後に 見事に臨界点を越える。

[理念を持った悪]と[形骸組織としての正義]の対比は、ベトナム介入が泥沼化し 正悪概念が根底から揺さ振られた70年代米社会風潮を思わせ興味深い。




《劇場観賞》