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ソイレント・グリーンのkoyamaxのレビュー・感想・評価

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)
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ディストピア近未来では
どんな夢をみるのでしょうか?

世はまさに!大弱肉強食時代^^;
人口増加。格差社会。
食べ物が不足している世界。
それを解消するべく、ソイレントグリーンという合成食品が配給されることになりましたが。。

オープニングが世界情勢の連鎖モンタージュ。
映像自体はショッキングなものはないはずですが、
往年のニュース番組のオープニングみたいにやたら不安に駆られるムードがあります。

ということで、、

どうやって食糧難をクリアしているのか。
それには理由があってだな。の真相を追っていくのがメインストーリーですが、

レトロフューチャーというほどかっこいい響きにならない未来都市の無機質な景観が良き。
人が溢れかえっている都市の様相は諸星大二郎のSFにありそうな感じです。
(むしろ影響を本作が与えている側かもしれませんが、、)

格差階級描写が秀逸で特権階級の人は酒、牛肉、食い放題。
「女性」も食い放題。
それに対しての羨みを隠さない貧困層刑事の素直な欲望も生生しいです。

邸宅に備え付け(囲われ)になっている美女を「家具」と称し、
知識しか存在理由がなくなってしまった老人を「本」という呼び捨て、
食糧難で暴動する群集は一斉にショベルカー掻き上げられ、土砂みたいにダンプに放り込まれる。

文字通り人を物みたいに扱われていく世界観にじわじわ心を削られていきます。

本作のオチはある意味で有名ではありますが、それそのものよりも
尊厳を踏み躙ること自体をシステムに組み込んだ世界に恐怖を覚えます。

何が怖いって、
「何かを踏み台にして世界は成立している」という側面が実際ありますし、
すでにある世界そのものの構図を見ているようで胸糞悪さが際立ってしまいますね。。。 舞台は近未来だった2022年。。。
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