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キリクと魔女

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キリクと魔女

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キリクと魔女の作品紹介

キリクと魔女のあらすじ

スタジオジブリ第一回洋画アニメーション提供作品となったファンタジー。魔女カラバの恐ろしい呪いに苦しめられている村に生まれたキリクは、村を救うために賢者の住むという「禁じられたお山」へと旅に出る

キリクと魔女の監督

ミッシェル・オスロ

原題
KIRIKOU ET LA SORCIERE
製作年
1998年
製作国・地域
フランス
上映時間
71分
ジャンル
アドベンチャー・冒険アニメ

『キリクと魔女』に投稿された感想・評価

kuu
3.8
『キリクと魔女』
原題または英題 Kirikou et la sorciere
製作年 1998年。上映時間 71分。
映倫区分 G 製作国 フランス

アフリカを舞台に、小さな英雄キリクが恐ろしい魔女に立ち向かう神話的な物語を色彩豊かに描き、本国フランスで大ヒットを記録したアニメ映画(大ヒットしたかはあくまでも伝聞です)。

映画『キリクと魔女』を初めて観たとき、小生はそのあまりにも異質な美の様式に激しく佇んだ。
和製アニメの精緻さ、ハリウッドの豪奢な3D CG、さらには近年の中国アニメが魅せる繊細な作画。
そうした過剰な映像美に慣らされた眼には、画面を満たす原色の咆哮や、衣服を持たない裸身の群像は、最初はどこか奇異な壁として迫ってきました。
 
物語の脈動もまた、万人向けの娯楽の型を鮮やかに裏切ってるし、生誕の瞬間から言葉を紡ぎ、疾風のごとく村を救う超児キリクの姿はあまりにも寓話的で、写実的な現実味を欠くように小生の眼には映った。
魔女カラバの冷徹な呪縛も、それに対する村人たちの現金な態度の変遷も、映画はただ淡々とした歩調で描写していく。
起伏に富んだ劇的カタルシスを渇望する鑑賞者として、それが肩すかしを食らったような物足りなさ、すなわち否定的な評価へと我が心が傾くのは、極めて自然な帰結だった。
 
しかし、その違和の棘を一歩跨ぎ越えた荒野にこそ、今作品の本質的な光芒が埋まっていると思います。
安易な二元論の枠組みを完全に超越した地平で、キリクは魔女を力で圧殺せんとするのではなく、狂おしいほど一貫して、なぜ、カラバは邪悪になったのか?という根源の問いを抱き続ける。
 
その探求の果てに露わになる、カラバの背を貫く毒棘の隠喩。 
それは小生の知性をも震わせ、深遠な精神性の結晶にほかならない。
悪を排除するのではなく、その痛みを看取り、融解させること。
これこそが、現代の混迷を照らす普遍の慈雨だと思う。
 
呪術的な色彩も、やがて呼吸するアフリカン・アートの快楽へと変貌していく。
西アフリカの土着の伝承と、ユッスー・ンドゥールが鳴らす大地のドラムが溶け合い、小生の中に少しの眩暈を呼び起こした。
最初の戸惑いを補って余りある芸術的オリジナリティを宿した今作品は、童話の枠には収まりきらない、胸の奥底でじわじわと体温を上げ続ける作品でした。
 
この映画が放つ異国情緒の密やかな熱は、世界の批評の場でも、神秘の燈火として語られてきたそうです。
監督ミッシェル・オスロは、幼き日に呼吸したギニアの風土を蒸留し、この叙事詩を召喚しているし、声の灯にプロではなくアフリカに根を持つ人々を配したことで、肉声の揺らぎが生命の原初のざわめきをそのまま写し取り、小生の耳に届く。
デジタルな計算を撥ね退ける、泥を蹴るような生々しさがここにありました。
 
アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソーの絵画を思わせる鬱蒼たる緑と、すべてを焼き尽くすカラバの赤。
カバラの赤はここでは『機動戦士Ζガンダム』などに登場する反地球連邦組織「カラバ」において、主にアムロ・レイなどが搭乗した専用機のカラーリングではなく、ヒンドゥー教の儀式で用いられる神聖な赤い糸のことです悪しからず🙇。
その極彩色の矢は、情報過多な日常に倦んだ小生の網膜を心地よく射抜く。
余談ながら、それは最近では年賀状や個展の招待状を交わすのみとなった、知人の画家の色彩を想起させ、目が慣れてきた頃には奇妙な愛着すら湧いてきた。
 
資金難ゆえに混成スタジオで手探りの歩みを余儀なくされたというトリビアは、むしろ本作に、職人の手業に似た、いびつで強靭な骨格を授ける奇跡となったと小生は見る。
 
物語は『他者理解』という暗曜の海へと小生を誘う。
キリクは自らの理性で光を灯す、カント的な『自律する主体』そのもの。
周囲の同調圧力に屈せずなぜ?と問い続ける姿勢は、世界を思考停止の呪縛から解き放つ呪文。
他者を記号で分断せず、その個別の文脈を注意深く読み解こうとする、極めて解毒作用の高い精神のありようを小生はそこに見たかな。
 
カラバの悪は生来の地肌ではなく、背負わされた傷という原因がもたらした、悲しい現象の影に過ぎない。
映画は、キャンセルカルチャーという短絡的な排除によって世界を浄化しようとする現代の病理に対し、あまりにも優美な平手打ちを食らわせる。
痛みの在処を知り、その棘を引き抜くこと。神話の器に盛られたその精神の軌跡は、最も今日的な人間賛歌として、小生の胸に静かに定着する。。。


あらすじ・キャスト
アフリカのとある村で、母親の胎内から自分の意志で生まれ出た小さな男の子キリク。村には魔女カラバの恐ろしい呪いがかけられており、泉の水は枯れ、男たちは全員食われてしまった。「どうして、魔女カラバは意地悪なの?」と疑問に思ったキリクは、“禁じられたお山”の反対側にいる賢者だけがその質問に答えられると知り、数々の困難を乗り越えながら賢者の元を目指す。

フランスのミッシェル・オスロが監督・脚本を務め、彼の代表作となった。セネガル出身の世界的人気歌手ユッスー・ンドゥールが音楽を担当。日本語吹き替え版はスタジオジブリの高畑勲が日本語版の翻訳・演出を手がけ、キリクの声を神木隆之介、魔女の声を浅野温子がそれぞれ演じた。
3.8
ジブリの宮崎駿監督や高畑勲監督が敬愛するクリエーター、ミッシェル・オスロ監督の処女作。
1998年公開時、此方はフランスアニメーション映画史上歴代興行収入第1位であった作品でもあります。

思ってたよりかなりシュールな世界です。
アフリカの伝統的な世界観で描かれる本作ですが、日本で言えば一寸法師?
生まれる前から言葉を喋り、自らで臍の緒を切り、生まれた瞬間歩き出し、自らミルクを飲むキリクはハイパーミラクルミニサイズ。

生まれた時にすでに父はおらず、親戚もその他の村の若い男たちは村の奥に住む魔女カバラに食べられ、金銀財宝が奪い取られている事をキリクは知る。

『よし、退治しにいくぜ!』
と、叔父さんと魔女退治に向かうわけです。

「どうして?」を繰り返す好奇心旺盛なキリクは小さなからだを生かしながら、魔女と対峙すべく奇想天外な冒険物語が始まる。
類稀なる頭脳で魔女を欺き、村の危機を救った展開まではまぁお決まりの展開。
しかしこの御伽噺には想像しなかったような斜め上のオチが待っている。
勧善懲悪ではなく、悪にも悔い改める時間を与えるべきだという性善説で繰り広げられるこの展開、なんか「してやられた!」ってな感じになりました。

最後になりますが、言うまでもなくこの時代から圧倒的な世界観で作り出す唯一無二のアートなアニメーションに始終うっとり。
色彩、影絵の動きに圧倒されながら独特なアフリカンミュージックに引き込まれて、観たあともしばらくこのキリク達のいる村に閉じ込められてしまいました。
Keitan
3.5
『子供の好奇心が世界を変えるお話』

20200324 053
何だか数日アニメが続いている。実は本作も初見。ジブリ(というか高畑勲監督)推薦のアニメと知ってずっと気になっていた。でやっと鑑賞。何故か先日先に観た、同じミッシェル・オスロ監督の「ディリリとパリの時間旅行」よりも断然楽しめた。

アンリ・ルソーの絵画を思わせる背景美術の細密描画をはじめ、映像は素晴らしい。対してキャラクターの動きは硬い。

でもお話は思った以上に面白かった。妙に達観した赤ん坊が主人公だったり、魔女のなり立ちは男に虐められたからとか、キスで目覚めるのは王子様だったり、ある意味ファンタジーのセオリーとは逆をいく展開で、フランスらしいブラックなセンスを感じる芸術作品。

そんな無茶苦茶な感じで、赤ん坊から始まったピュアな好奇心が魔女の支配する世界さえも変えるという、想像以上に壮大なストーリーw

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