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ドリーム・ホームのhorahukiのレビュー・感想・評価

ドリーム・ホーム(2010年製作の映画)
3.7
香港産エログロスプラッター。
痛いシーンもグロいシーンもエロいシーンも盛り沢山なR18指定の教科書のような映画です。

あらすじ…
銀行で働く主人公。夢は海の見える高層マンションを買うこと。上司と不倫しボロい家ではガンの父親の看病という辛い生活。夜は別の仕事を掛け持ちしてお金を必死にためていたが、マンションがあまりにも高額なため中々たまらない。そしてついに彼女は恐るべき計画を実行に移す…という話。

住宅価格の高騰問題を始め、香港の経済格差を下敷きにした社会派ホラー。ジャケの雰囲気からやりたい放題なぶっ飛んだコメディよりなやつを想像してたのに、意外にもどんよりとして暗い作品で、朝っぱらから見るんじゃなかったと少し後悔(^^;;

かなり劣悪な環境で生きてる主人公だから、殺しの道具も安っぽい。でも凶器が日常的で安っぽい方が残酷さが増すような気がしませんか??私的に好きなのがDIYでお馴染みの結束バンド。アレの殺傷能力の高さに驚き!それと布団圧縮袋もなかなかエゲツないですね。

序盤からグロ全開で、目ん玉飛び出るわ、腸がお腹から溢れてくるわ、チ◯コは宙を舞うわでとにかくドロドログチョグチョ。しかも主人公が殺す時に思い切りが良い割には案外弱くて、最悪なことをしてるのに不思議と応援してしまうんですよね。

ずっとグロシーンだと疲れちゃうので、その箸休め的な感じで、主人公の過去話を挿入して、なぜこんな殺戮をすることになったのかが明らかにされていきます。少し入れるくらいなら良いんですけど、かなり頻繁に過去話やるので、時系列が混乱するし、テンポが悪くなっちゃってるのがマイナスですね。

香港社会に追い詰められていった者の唯一の精神的な拠り所。それが海の見えるマンションってことなんでしょうね。その目標だけが最悪な日常から主人公の心を守っていた。そして、その拠り所を奪われることへの恐怖が主人公を狂気へと追いやっていく。オチも含めて辛くて虚しい気持ちにさせられる良作スプラッターでした。
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