Jaya

ダーク・スターのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

ダーク・スター(1974年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ポンコツクルーの乗るポンコツ宇宙船ダークスターの顛末。冒頭クレジットでカントリーに合わせてチープに宇宙を進むダークスターにとてもワクワクしましたが、全く裏切られずに済みました。

途轍もなくチープながら、キモを抑えた表現の数々。某名作SFの影響も存分に感じました。というか完全にパクリというかオマージュ。それでも微笑ましさしかないのが本当に凄い。

狭苦しい管制室に小汚い居室。ピョコンと飛び出たタルビー。喋る爆弾。インパクトデカかったのはエイリアン。風船の造形がかわいい。延々とピンバックとの乳繰り合い。爆発オチでもピンピンしてる。穴空いて萎んじゃって可哀想。

圧巻は現象学的実存主義的な弁証法的説得による20号爆弾の爆発阻止。自我を肥大させた20号爆弾は自ら神となって炸裂するのでした…。これを衒いなくきっちりコミカルに仕上げる力が本当に素晴らしい。サーフィンやらフェニックス流星群やらの微妙な伏線を拾いながらの美しい結末。グッときてしまいました。

溢れる愛と意欲と情熱が見事に形となって現れたような、B級コメディSFの金字塔と言えるバカ作品でした。
Jaya

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