たにたに

驟雨のたにたにのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
4.2
【夫婦喧嘩は驟雨のように】2023年12本目

佐野周二と原節子演じる、夫婦の物語。

これがまさに何十年来も一緒に住んでる夫婦のリアルだなぁと思いますが、今作の設定は結婚してまだ4年。

自分の両親を見ているかのようで、妙な親近感を得ましたね。仕事もリタイアし家に一緒にいる時間が長くなると、互いの行動や発言にいちいちイラついたりするんですよねぇ。
家でじっとしてないで外出なさいよ!みたいな。

でも、夫婦だからなんやかんや、やってあげるんですよね。

隣に越してきた年齢差夫婦の新婚さんとの交流もあって、その地域の嫌みなおばさんもいて、やけにリアル。

ところどころ流れる、雨のようにピアノの音色が響くのがオシャレで好きでした。
井戸ポンプを力強く汲む原節子さんの逞しさも魅力的でした。

最後まで歪みあってる夫婦ですが、最後の紙風船のシーンは見事じゃあないですか。
このセンスが大好きです。
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