三郎丸

ヌードの夜の三郎丸のレビュー・感想・評価

ヌードの夜(1993年製作の映画)
3.3
昔の竹中直人が見たくて鑑賞!
今作は、喧嘩はからっきし、精神だけは強めな代行屋(果てしなくお人好しとも言います…)を怪演!

ストーリーは、
広瀬(小林宏史)にプロポーズされた名美(余貴美子)は、ホストクラブの支配人行方(根津甚八)との腐れ縁を立ち切り、幸せな結婚生活を得るためにある計画を思いつく。
身元を偽り、代行屋紅次郎(竹中直人)を訪ねしょーもない都内観光同行を依頼。都内の高級ホテルに帰った後、計画を実行に移すべく、行方を部屋に招き入れ、殺害するつもりだったが、隠していたナイフを行方に見つけられてしまい、フルボッコに殴られ&犯されて殺意が頂点に達した名美は、行方をシャワー室で刺殺。
その後何も知らない次郎は、次の日、観光の続き(ディズニーランド)をするためホテルに行き、行方の死体を見つけ、まんまと嵌められたと気づき名美の行方を追う。と同時に、行方から連絡が途絶え心配した子分の仙道(椎名桔平)も名美の行方を追う…

ストーリーより、濃いめのキャスティングが際立つ作品。
今作のキーである余貴美子の美しさと幸せな結婚を願うあまり手段を選ばぬ危うい存在。そして、それを妨げる存在のシャブ中(多分ヤクザ者)故・根津甚八(合掌)その子分で野心溢れる椎名桔平。
様々なエゴ感情渦巻く中へ、唯一良い人!な主人公の竹中直人が巻き込まれるという基本陰気な話です。まあ、確かに陰気な話の合間、竹中直人が夢にうなされ飛び起きた時の顔や劇中時折見せる変顔は思わず笑ってしまうのですが…

椎名桔平の、若手ヤクザは勢いと凄みがあって良いですね。
【それなりに経験してきた人】
という演技です。
北野武も同類。カタギにはない張り詰めた【何か】が滲み出てます。
(金獅子賞(1回目)獲って日本帰国した際、ワタシの部下に対し眉間に皺寄せて、エグい凄み見せてましたから…金獅子のトロフィー持ってなきゃまんまヤ○ザの親分です)

今作のクライマックスに、竹中直人と余貴美子の濡れ場があり、ワタシは基本的にラブシーンが不必要だと思っているタイプで、ラブシーンが多い映画を観ていると、
「まーたやってんよ!」
位にしか思わないのですが、今作は観れば観るほど悲しさと虚しさがある濡れ場で、とても印象的でした。

オススメ処は、
オカマ役、田口トモロヲの妙に似合うボディコンと、それでもっての竹中直人へ蹴りの嵐!絵が濃すぎでどんな映画か一瞬忘れました…

今作の続編も観ようと途中まで鑑賞したのですが、大竹しのぶのキンキン声がどうしても耐えられず鑑賞断念…
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