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ウィズネイルと僕のsoのレビュー・感想・評価

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)
4.0
文句無しのマイベスト・ブリティッシュムービー。
オープニングもラストも最高な映画ってなかなかない。

ドラッグと生活保障だけでまわるうだつのあがらぬどん底生活を抜け出すためにロンドンの喧騒を抜け出し田舎へ向かうウィズネルと僕。
ウィズネルも僕も、というか登場人物全員おかしな奴しかいなくて終始笑わせられる。
こんなに笑えるだけでもこの映画が好きだし、カテゴライズするならばコメディということになるのだろうけど、重要なのはそこではない。
時折不思議に心をかき乱される、それは何なのか。
観終わって気づいたがその一つは、ウィズネルや叔父モンティから感じられる、人間の愛すべき二面性なのだと思う。
荒唐無稽にみえる言動ばかりの彼らだが、車のミラーに映るウィズネルの目や、暗い部屋で照らされたモンティの顔の表情は、言葉とは裏腹に彼らの寂しさを雄弁に語っている。
そんな予想外に出くわす彼らの隠された心が、何故だか彼らを愛おしく思わせるのだ。
田舎の人が都会人以上に冷たかったり、逆に殺されるんじゃないかと脅えてた相手が優しかったり。
喜劇か悲劇かわからぬ、笑えるほどに妙にリアルなこの映画には、割り切れない人間や人生に対する優しい眼差しが溢れている。
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