ノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏の作った物語はいかがなもんかと、そんなミーハー心だけで視聴した作品。
舞台は、不治と言われた病がなくなり、平均寿命が100歳を越えた世界。
その影には『提供者』と言われる人々の存在がありました。
提供者は幼い頃から、自分は自分の身体(臓器等)を『提供』するために存在し、『終了』するまでそれを繰り返すことが使命であるという教育を受けて育ちます。
しかしながら彼らも人間。
様々な噂話に振り回され、『提供の猶予』に希望をよせてしまう人がほとんどです。
『自由』ではなく、『猶予』。
なんて希望のない宿命なんだと、胸が締め付けられるようでした。
提供者としての人生を歩むのは、犯罪者などの社会不適合者の『子供』という点に関しても、あまりに残酷であると感じてしまいました。
作中で発せられるセリフ。
提供者とそれを受けて長生きをする人の違いがわかりません。
まさにその通りだと感じました。
気持ちがズッシリ沈む映画です。