もものけ

地獄の謝肉祭のもものけのネタバレレビュー・内容・結末

地獄の謝肉祭(1980年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ベトナム戦争でゲリラが守る村を解放したノーマン大尉は、囚われていた二人のアメリカ人兵士が、飢えのために人肉を貪り食う場面に出合わせる。
助けようとするノーマンの腕に噛み付くチャーリーとトミーは、ノーマンの部下であり、それ以来ノーマンは生肉を見ると異常に興奮するようになった。
帰還兵としてアメリカでの生活は夢とトラウマが襲いかかり、チャーリーがショッピングセンターで銃を乱射するという情報を聞くノーマンは、かつての部下を説得に向かうのだが…。





感想。
当時流行ったベトナム戦争帰還兵物語と、モキュメンタリーとして話題になる「食人族」をセットにしてみたまんまな設定と、「ランボー」などのプロットを丸パクリとしたイタリアン・ホラー映画。

パロディなのか本気なのか、ここまでゆくと潔いほどという、真面目に製作してしまうイタリア人のセンスには脱帽してしまう、こういうシーンが撮りたいだけで映画を製作する情熱が伺える怪作です。
そして、「ゾンビ」のプロットまで取り込んで、人肉食が感染するという設定まで盛り込んで、当時の流行り全てが詰まった作品に仕上げております。
とはいえ、ベトナム戦争帰還兵が物語の主体でもあるので、丸パクリでありながらもなかなかB級ホラーのゴミ作品とは言い切れない良さがあります。

何処かで見たようなシーンの連続。
でもマカロニ作品なので、血の鮮やかさとゴア描写は素敵で、女優も美人のセンスが良い。

下水道へ追いやられての火炎放射器に立ち向かうトミーなどは、哀愁すら感じさせるほど。

ラストには妻を守る為だったのに、アッサリ噛みつかれた妻の謎セリフ"愛しているから"で締めるかと思いきや、隣家の子供たちの不穏な口モゴモゴで終わる、バッドエンド的結末。

イタリア映画の割には編集のむちゃくちゃなさは控えめで、すんなり観れるマカロニB級ホラーに、3点を付けさせていただきました。

割と好きです、こういうの(笑)
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