ロマンチックロマンチックと語り継がれ続けてきた本作を、ほうほうどんなもんかねと、ややひねた視線でかつ斜に構え気味に視聴。
たぶんいちばんロマンチックと言われてるであろう部分は『たまたまそこへ居合わせた男女が、ものすごく刹那的に恋に落ちる』ところにあるのだろうと思う。短さと激しさがロマンチック。的な。
その点に関しては正直それほど、ロマンともチックとも思わなかったのだけど、それよりももっとこう、二人の会話の質量だったり間(ま)だったり、たとえば目を合わせてそらせるやり取りの中での絶妙な距離感だったり、シンパシーを頭でも心でもなく、感覚的に反射的にかつ動物的本能で二人が感じて合ってるのが端々に感じられて、そこにグッときました。
深く考えずにいま目の前にある瞬間的な愛の海に飛び込んでみようよっていう潔さのようなものが、ほどよい温度で心地よく思わせるのかもしれません。
スイートもビターも両手に持ち合わせたロマンスの金字塔。
叙情的で詩的なセリフがとても多く、たぶん観直すたびに好きなセリフに変化が起こるんだろうなあって思ったりしました。
ラストは賛否の分かれるところだと思うけど、や、まあ、そりゃそうなっちゃうよねってぼくは思いました。そうならない方が嘘くさいし映画の世界ではなく、もはやおとぎ話の世界だなって思ったと思います。
若かりしイーサンホークが見せた、柔らかな幼さをまとった空気感はさぞ女心をくすぐるのだろうな〜(๑´ㅂ`๑)
お相手のジュリーデルピーがすごく美人過ぎないのもリアルのバランスを測っててグッドでした。