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デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2のkuuのレビュー・感想・評価

3.6
『デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2』
原題 Final Destination2.
製作年 2003年。上映時間 90分。
アメリカで公開されたホラー・サスペンス映画『ファイナル・デスティネーション』の続編。
前作からちょうど一年後。
予知夢によって、ハイウェイの玉突き事故による死を免れた9人の男女に、再び死神の魔の手が忍び寄る。

キンバリーはこの日、友人たちとドライブ旅行に出掛けた。
しかし、キンバリーの運転する車がハイウェイに差し掛かった時、彼女は突然恐ろしい予知夢を見る。
それは、ハイウェイ上を疾走する大型トラックの荷台から落ちた巨大な丸太が後続車に激突したのを皮切りに、周囲の車が次々と衝突、炎上、最後にはキンバリーたちもその犠牲に遭うという凄惨な連鎖事故だった。
そして、我に返ったキンバリーは事故を未然に防ぐため、周りを顧みずに突然自分の車でハイウェイの入り口を封鎖するのだが。。。

あまり期待はしてなかったが面白かったっす。
前作、Part1とは異なり、ホラーにしてはかなりまともなものストーリーがあり、1作目の出来事とうまく結びついていました。
しかし、今作品のポイントはそれとは異なり、死の遍在と登場人物たちの死との遭遇を見せることなんかな。
そして、そりゃ見事に実現されている。
特に死への出会いってか予感かな。
エバン・ルイスが新しく買った指輪を、シメシメと見てる時、馬蹄形が下を向いていて、こりゃ不吉やなぁなんて思ったし、また、別のシーンでは夜、ノラ・カーペンターがティムを寝かしつけ、照明を落とすと、彼の顔に髑髏の輪郭が照らされてたりと。
その直後から、彼の死へとつながる一連の出来事が始まってたかな。
まだまだ、隠れ死への予感コマンドはあるとは思いますが枚挙に暇がないので割愛して、
そこから来る今作品の死のシーンは結構怖かったし印象的です。
家を作る時の材料🙆🙆‍♂️がスッ飛んでくるシーンなんか結構キテた。
しかし、このシーンの撮影は実際におこなったらしいけど、跳ね返りが足りないちゅう理由からCGを採用してるけど、迫力はあった。
また、オープニングのエピソードは素晴らしかったかな。
アクションの質と強さを想像するには、善きアクションシーンを思い浮かべたくらい。
ただ人が死んでいくだけなんやけど。
さらに印象的やったんは、他のいくつかの出来事における緊張感の醸成。
今作品は、日常生活の中でいかに人が死に近づいているかを示すことで最も恐怖に陥れてくれる。
ガソリンスタンドのエピソードなんかは、それを最もよく表してるかな。
車と車がすれ違い、男がボンベを落とし、犬がリードを引っ張り合う。
その瞬間、ランプを直している男がいるだけで、なんか怖くなる。
あと、指輪をシンクの排水溝に落とし、それを取るために穴に手を入れるシーンは何気ないが、見てて、想像しただけで汚くて気持ち悪いのか、予感が怖さを連れてくるのか、巧みでした。
死はいつもすぐそばにあり、我々が間違いを犯すのを待っているって思える。
毎日、何度も何度も小さな間違いを犯すことを(半ば本気で)考えずにはいられない。
引き出しにナイフを落とす、暗闇で電気のスイッチを探す、鋭利なものを顔に近づける、などなど。
怖いですよね、恐ろしいですね(淀川長治風に)。そして、他の人が犯したミスがなくても、同じように人を殺すことができる。
今作品は怖い中にも暗いユーモアあるシーンがいくつかあるんやけど、そこを挟むとこがまた巧い。
これらのシーンは(ほんの少しやけど)、この映画をメチャクチャ良くするモンしゃないかもしれないし、好き嫌いはあるやろけど、これは脚本家・監督のクリエイティブな選択であり、個人的には嵌まった。
現代のスラッシャー映画のような興奮とスリルが味わえたし、古き良きスラッシャー映画の伝統的要素(血糊、サスペンス、エロ、ユーモア)を欠かすことなく、今作品は最初の15分でレベルに到達していた。
ホラー好きには陰惨で混沌とした胸躍るシーンがあるし、まぁ前作を観てなくても楽しめる作品になってたかな。
勿論、前作を観てからの方が楽しめるのは間違いないが。
とても楽しめました。
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