このレビューはネタバレを含みます
1987年。
携帯電話なんて、ない時代。
今の若い世代の人たちは、どんなふうに思うのだろう。
ボクら世代は、それが当たり前で…そんな時代に青春を送っていたのです。
今なら、逢いたいと思えばスマホひとつで連絡とり放題。
この頃なんて、下手したら実家の電話にかけなくちゃだから…こわいお父さんが出たりしたら、それこそアウト!
逢えない夜に想いを馳せるしかないのです。
「無事に帰り着いたかなー」
「今、何してるんだろう」
「もう、寝てるかな?」
もう、想像するしかない。
だけど、そんなふうだから…より想いがつのったりしていたような気がします。
次、逢える日までの毎日を指折り数えたりして。
今じゃ、そんなこと考えられないでしょー?だから約束なんかがすごく大事だし、手紙という手段も使っていました。
今の時代は、なにかと本当に便利。
それが恋愛にとって、いいこともたくさんあるでしょう。
だけど、不便だったからこそ(その頃はそれが当然のことでしたけど)気持ちが勝手にどんどん深くなっていく感じがありました。
連絡手段はなくても、強く心がつながっている世界。
現在、基本的にそれは不可能では?
ボクらがそんな時代に恋愛をして、のちに産まれてきたのが…若いあなたたちです。
まさに、そんな時代のラブストーリー。
ボクにとっては、バイブル。
だって、この映画と同じような世界で暮らしていたんだから。
なにかしら不自由があると、人は別のカタチでカバーしようとします。
そういうことも、恋愛における醍醐味のひとつだと思うのです。
若い人たちには退屈に感じてしまう映画かもしれませんが、ボクみたいなリアル世代にはたまらなく愛しい作品なんです。
原田知世の「指バーーーン」に、当時メロメロになったのは言うまでもありません。
当時おつきあいをしていたうちの奥さまも事あるごとに「指バーン」を多用しておりましたが、スクリーンからの知世ちゃん指バーンと違って目の前で指バーンされたら…それってただの「殺し屋の女」ですから💦