マヒロ

荒野の七人のマヒロのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
3.0
『七人の侍』の西部劇リメイク。

ただ元をなぞるだけではなく、登場人物の役割を混ぜこぜにしてみたり、全くいなかったキャラクターが追加されていたりとまた違った味わい。
一方ストーリーは殆ど変わらずで、主なところだけ掻い摘んだいいとこ取りな感じ。

七人の中では、パワー自慢の仏頂面ながらやたらと子供に懐かれるベルナルド(チャールズ・ブロンソン)と、尊大なように見えて実は自分の腕の衰えに怯えている賞金稼ぎリー(ロバート・ヴォーン)の二人は人間味のあるキャラクターで良かった。農民の父親は腰抜けだ、ガンマンになりたいと言う子供に対してベルナルドが諭すシーンは、オリジナルにはないシーンながら本質を突いた良いシーンだった。
敵が得体の知れないものとして扱われていたのに対して、明確にキャラクター設定をしたのも興味深い変更点。

元が元だしある程度面白いと言えば面白いんだけど、やはり3時間半の映画を2時間にまとめてしまっただけになんか足りないなぁという点もチラホラ。
勘兵衛に当たるクリス(ユル・ブリンナー)と久蔵にあたるブリット(ジェームズ・コバーン)なんかは『侍』でも印象的だったからか元に忠実ではあるものの、活躍シーンが削られてしまったおかげで妙に影が薄いし、最終決戦も綿密に作戦を練っていた向こうと比べて出たとこ勝負で飛び出していくばかりでいまいち面白みがない。
全体的にもう少し掘り下げが欲しかったところで、長い映画には長いなりの面白さがあるんだなぁ…と再確認。

(2016.153)
マヒロ

マヒロ