のどかな村に暮らすグッピー一族は血族間で結婚を繰り返していた。その理由は自分たちの財産を守るためであった。パリに住んでいた一族の息子は彼らに呼ばれて街にやってくる…。
閉塞的な村で外部の者を寄せ付けない暮らしを送るグッピー一族、最初は不気味でちょっと怖かったけれど、この映画自体の雰囲気は不思議なおとぎ話風の喜劇という感じだった。
やっぱりジャック・ベッケル監督の、こういった庶民の風俗を描いた作品が好き。
泥くさいはずなのになんだか上品な雰囲気があって、だけど全く偽善的でなくシュールささえある。
特に106歳のおじいさんをまあまあなおじいさんたちが3人がかりで運ぶ様子はシュールとしか言いようがない笑
おどろおどろしい夜の村の様子、打って変わって昼の村の田園風景は爽やかである。
ベッケル監督がジャン・ルノワールを師事していたというのがよくわかる。
映画の全体的な上品な雰囲気はそこからきている気がした。
軽いホラー要素とサスペンス要素、ラブロマンス要素ありの群像喜劇。
いつの間にかこの世界に入り込んでしまっていて、あっという間に終わってしまう、そんな映画だった。