暇つぶし程度に観てみたらメチャクチャ面白いコメディの快作だった

前半は上品なファレリー兄弟みたいなコメディだけど（和泉雅子が最高！）
中盤の親パートになってからは重たくなる
だけどテンションは前半と変わらず
空港での吉永小百合のブッ飛んだ母親への提案が笑える

ほんの数シーンだけど田中絹代が素晴らしい
存在感には恐怖を覚えるレベル
さすがの高峰三枝子も霞みかけてた

《最敬礼！》
〝ありがとう。どう？私の和服姿似合う？〟〝凄い。女王様みたいだよ〟〝ありがとう〟〝2番目の優等生が来たぜ。最敬礼！〟〝おはよう〟〝何だい、その犬。卒業式の式場に連れていくつもりかい？〟

綺麗な着物で着飾った女の子達の中でひと際目を引くのが十朱幸代さん。ばっちり着物を着こなしていて女王様と言うよりバーのチーママって感じ。その後にやって来たのが、吉永小百合さんなんだけど、人と同じ格好だと目立たないから、スーツに黒縁メガネのＢＧスタイルにワンちゃん同伴。

そのくせ浜田光夫クンにだけは振り袖姿を見せたくて、自宅に招いてのお披露目会。めちゃめちゃ可愛いくて〝惚れてまうやろ〟なシチュエーション。〝今頃そんな格好をするなんて素直じゃないなあ〟って光夫くんが言いたくなるのも分かるね。

そんな素直になれない男女が織りなす恋愛模様とイマドキ親子の家族事情が描かれているのだけど、友達同士でも親子間でも〝そこまで言っていいんかい？〟と観ているこっちが恥ずかしくなるような会話のオンパレード。それが当時の世相なのか、石坂洋次郎先生の作風なのかは分からないけど、何でもオープンにすればいいってものじゃないだろうって思うけどね。自由奔放で何でも開けっぴろげにすることがトレンドだと勘違いをしている若者の青春讃歌ってとこかな。

本作は吉永小百合さんと浜田光夫さんのゴールデンコンビに、十朱幸代さん、和泉雅子さん、山内賢さん、和田浩二さんらお馴染みのメンバーが花を添える王道の日活青春映画。皆さん若々しくてフレッシュなのがいいね。

視聴メモ：2025.07.06/142/日活フィルムアーカイブ

吉永小百合が気が強い役なのは意外だった。他の出演者も豪華だけど、内容はまぁそれなりに…

当時のお金持ちの若者はあんな話し方や考え方してたんだろうか？今とは色々違うなぁ〜

2024-336
May-16