ある日ばあちゃんに質問。
何故に裕次郎人気？
『かっこええからやろ』

また別日、母と父に同様の質問
『カッコいいからやん』
即答。ほう

今度はこの映画を見て一言
わかるぅうぅ👍

なんと様になってることだろう。
時代によってウケは違うし
彼が若いからという要素も加わるが
彼が昭和の日本人の心を射止めたのは
間違いないだろう

平成令和では聞くことのない
昭和人情？のかかった人々の言葉、
居心地のいい時代の作風、脚本
日本の映画界に歴史あり！！

博物館のような作品に感じた☆

今はもう「山の手」という言葉は耳にする事もなくなったが、田園調布を頂く多摩川に沿う周辺にそのエリアがあった。江戸情緒を残す庶民的な下町とは対照的な、新しい趣きを持つ洋風(和洋折衷)な生活スタイルは、東京のシンボルでもあったし、田舎者の憧れでもあった。
この視点を踏まえて観ないと、なんとも滑稽でスカした映画だと思われるかもしれないが、当時一世を風靡した石坂洋次郎原作による日活映画のこの一連の作品群は、そんな独自の「山の手」風土でもって作り出されたフィクショナルな物語であり、虚構とはいえこの作品は確かに存在した「山の手」という独自の東京の一面を伝える貴重な記録でもある。もちろん「下町」との対比もバランス良く描かれており、それも見所である。ストーリー自体はどれもみな最高に面白いし、3時間30分という2部構成のこの作品も例外ではない。長さを忘れて飽きる事なく楽しめる事請け合いで、しかも初っ端からハマる。
それはなぜかと言えば、内情は別にして少なくとも表向きは、男は男らしく、女は女らしく、母は母らしく、それぞれが各自の「らしさ」を信条として描かれているからである。「らしさ」が少しも胡散臭くない時代だったのだ。
同じリッチでも、「山の手」にはタワマンの様なビンボー臭さは無かった。

陽のあたる坂道を〜（ミスチル）
これぞスタアの娯楽大作
ゆるいところもあるけど楽しめる
まずはあらすじから


ーーーあらすじーーー
■坂道を登るスーツ姿の女性の後ろ姿
大きな屋敷、その女性はここのお嬢さんの家庭教師として採用されたたか子（北原三枝）屋敷から出てきた若い男がちょっかいを出す、僕の憲法だと言いながら胸を触りたか子激怒。
男はこの家の次男信次（石原裕次郎）、窓から覗いていた兄雄吉（小高雄二）の案内で家に入る。妹のくみ子（芦川いづみ）の家庭教師として家族に紹介される。くみ子は足が悪かった、子供の頃信次と遊んでいて怪我をしたのが原因であった
■たか子は長屋に一人暮らし、隣の部屋には高木トミ子（山根寿子）と息子の民夫（川地民夫）が住んでいた。
■信次は父と二人で酒を飲みながら話。信次は父と芸者との間に生まれた子だった。芸者と別れ、母は引き取り我が子同然に育てたのだった。
父と出生について口論となり殴られるが、殴られてさっぱりした顔
■くみ子はたか子をライブに誘う、ボーカルは民夫だった。
『Seven O'Clock』♪ジミー小池という名前でジャズシンガーをしていたのだ。ライブの後でジミー小池＝民夫、くみ子、たか子で食事
■屋敷の庭で信次はたか子に相変わらず失礼な態度、信次は自分の母は芸者だと出生の事を話すが芸者の名前にたか子は聞き覚えが、、隣人のトミ子だ。それが顔に出てしまい信次にトミ子の事を話す
■信次と母の会話、くみ子の怪我は信次のせいではないでしょ、、そんなことない俺のせいだよママあの子をかたわにしたのは雄吉でしょ、違うよ
あなたは雄吉を庇うことでこの家族の中で優越感を持つことができると考えたのか
■回想：小さい頃はしごに登るくみ子、支える雄吉と信次、しかし蝶が飛んできて雄吉は手を離す、くみ子落下、、雄吉はお前のせいだと信次を詰る、、、
■信次はトミ子のところでどんちゃん騒ぎ、ただ自分の身の上は明かさなかった
■雄吉、たか子たちはみんなでスキーにいくが足を挫いて雄吉は病院に
しかしこれは雄吉がたか子と二人きりになりたい口実だった。雄吉はたか子を愛していた
■家族が全員集合、家族会議、たか子は遠慮するが母はあなたもここにいてと言う。父の告白が始まった。みんな知っているだろうが信次は自分と芸者との間の子供だ、信次に謝罪する、続いて受け入れて育ててくれた妻にも謝罪する。信次は両親に感謝する。雄吉と信次の握手
■第二部
トミ子のところに信次がきた、名を名乗り実の息子であると告白。トミ子は感動し涙しかし民夫は受け入れられない、帰れこのやろうと殴りかかる勢い
■民夫はくみ子と公園デート
くみ子は自分の足を気にしていた、子供が産めない体だったら、、、
中学時代に産婦人科を一人で訪ねた。タバコを吸っている体格のいい医者。しかしくみ子はこういう医者は腕がいいと考えていた。
腰が悪いけど子供産めるかと診察を頼む会社は見ただけで大丈夫だと言う。しかしくみ子はあくまでも診察してほしかった。折れた医者は診察室でみる、結局出産に影響はないことがわかった
■チンピラ３人に家の近所で絡まれる信次、三人の家に連れてこられると姉御肌の女性がこの人じゃないよ、、チンピラを叱る。信次は人違いで連れてこられたのだった。
女はモデルのゆり子（渡辺美佐子）、よく話を聞くと兄の雄吉と関係のあった女だった。
信次はことの顛末を兄の雄吉に話すと、実は、、と雄吉はゆり子と関係し子供も堕胎させており金を要求されていた。女でしくじったんだよ、、女を二度妊娠させた
雄吉は過去、くみ子の怪我の罪を背負ってくれた信次の性質を知っており、またしても罪を背負ってもらう考えだった。
■母に報告をする信次、女性でトラブってお金が必要、雄吉が間に入ってくれている。しかし母は信次がそんなことをするはずがないと信じていないがお金は渡した。
母は家族への優越感のため信次が罪を背負ったのかと考えていた
■川で写生している信次のカンバスを蹴飛ばし、信次と民夫は殴り合い、結局民夫はのされて兄貴！と泣きながら抱きつく。
ダンスホールで、信次と民夫はカップルで踊る、それが目立ってバンドにジミー小池だとわかってしまい、一曲歌うことに。
曲は『Seven O'Clock』♪
ホールで踊りながら見つめ合う信次とたか子、突然のキス、たか子はビンタして出てゆく。なぜかくみ子も民夫をビンタ
■たか子は一人部屋で悩んでいた、あんなに乱暴な男だけども嫌いになれない
■たか子、信次、雄吉の話し合い、雄吉さんに告白された時は
嬉しかった、女性を弄んだことも知っている、キスされたけど、でも自分は信次さんを愛している。
雄吉は、ずいぶん手の込んだ告白だ、信次も信次だ、妾の子だけあって女を落とすのが上手いな
それを聞いた信次は思わずカッとなって雄吉をぶん殴る、しかし雄吉は人間嫌いのノイローゼになっておりあえて信次に殴られて目を覚ましたかったのだ。信次は家族と離れ一人で暮らすといい
女性を弄んだのも、くみ子のことも信次が罪を被ってくれたことをたか子に告げ去っていった
■くみ子と民夫、くみ子は腰の手術をすることにしたまた普通に歩けるようになる、希望に満ちたくみ子と民夫の表情
ーーーあらすじ終わりーーー


🎥🎥🎥
1時間半くらいかなと気軽に見始めたら、3時間半！長くてびっくりした
うちの両親は映画には興味なかったが石原裕次郎のことは好きだったみたい、とにかく大スター
この1958年だけで10本も映画に出てるのか、、、、こんな人今いないよね
子供の頃のイメージは『大都会』『西部警察』の偉い人

裕次郎、北原三枝はやっぱ主役！と言う存在感はさすが。この二人が出てるだけで娯楽映画になる。
信次（裕次郎）は女性には態度悪い、好きに絵を描いてフラフラしてる、不良っぽいんだけど
健康優良ボンボン不良少年と言うナイスなポジション。そこにしっかりもののたか子（北原三枝）と言う定番なカップルである。
周りの役者陣もなかなか良かった、芦川いづみはキュートだし、川地民夫のいかにも弟というキャラ
あと謎の妖艶さを出している渡辺美佐子！モデルと言うよりは女侠客と言う迫力があった。ややサイコパスな兄役小高雄二も良かった。

主人公たちは殴り合う中でお互いを認め合うというパターン、これの原型ってなんだろうか
ジョン・フォードの『静かなる男』かな？
父と信次（裕次郎）、信次と民夫（川地民夫）、信次と雄吉（小高雄二）が殴り殴られ気持ちが通じ合う、まあ現実に殴られたらムカつくだけだとお思うけど

笑ってしまったのがダンスホールのジャズシンガー、ジミー小池＝民夫のステージ、さすがにこれはジャズ描写としては無いなあ、『嵐を呼ぶ男』のジャズ描写もアレだったけど確かジャズ評論家の巨泉が指導してたんだよね、、、

そんなゆるいところもあるけどもなかなか楽しい１本だ