説教

時代の最先端風俗をへルスクラブで取材する雑誌記者の成功と挫折を描く

エアロビクス
レオタードの男女が腰を振るだけです

いろいろ時代を感じる

ストーリーはヒドい

このキャストなら観てられるかな

数多くの素晴らしい作品を残してきたジェームズ・ブリッジスだからこそ、異様さがより一層際立つというか。本題はジャーナリズムの功罪、メディアはどこまで踏み込むべきなのか、倫理観を問う映画。
記者役のジョン・トラヴォルタが潜入ルポで飛び込んだエアロビ教室で腰振りダンスの先生ジェイミー・リー・カーティスに夢中になり、自らも腰振りダンスにハマり、エアロビ教室なんてハプニングバーだろ的なゲスな記事が目的だったはずのトラヴォルタの心情にも変化があらわれ…って、そんな話ではあるんだが、そういうことでもなくて、書いてしまうとそれなりにまともな映画のように聞こえるが、あらすじでは追えないヤバさが全編に溢れていて、ひとまずエアロビダンスはいまあなたが想像しているより3倍は長く撮られている、しかも下半身を中心に。キチガイのカルト映画はいくらでもあるが、ドラマはしっかりしていて、役者も大真面目に演じていて、こういった平然とした態度で狂っている（どこか調子が外れている）映画が実は一番キているのではないかと思ったりもする。
もちろんトラヴォルタはこの作品以降『パルプフィクション』まで低迷するがタラ坊は本作を過小評価されていると無駄に擁護、さすがです。
一応のハッピーエンドのあとにも濡れ濡れ腰振りダンスで出演者紹介、ちょっと照れくさそうにしているトラヴォルタが可愛い。たんなる駄作で切り捨てられないイカレタ魅力がある。年の瀬にみんなと汗かきながら爆音で見たい一本。

ゴードンウィリス印の撮影。ローリングストーン誌の記者と取材対象のハッテンバとしてのエアロビスタジオ。何度も出てくるエアロビシーンのなかでも特にトラボルタが参加する場面がヤバい。インストラクターのジェイミーリーとトラボルタの腰の？股関節の？股間の？つか性器の？動きがあまりにも素晴らしい。スタジオ内の全員のレオタードの色合いも良いし、とにかくたまらん。ホテルにはボーイジョージファンのコスプレ軍団、編集長んちのパーティにはさらっとカメオでローレンハットン。エアロビチームだけじゃなくて編集部のキャストもエアロビしてるエンディングがまた最高。ジェイミーリーのスピーシーズみたいな肢体と動きがとにかくスゴい。