マヒロ

X-メンのマヒロのレビュー・感想・評価

X-メン(2000年製作の映画)
3.0
(2024.26)
『デッドプール3』にて祝・ウルヴァリン復活ということで、今までレビュー書いてなかったり未見だったX-MENシリーズを見直してみることにした。

初代である今作はだいぶ前に観たきりだったが、2000年公開ということは『スパイダーマン』より前なわけで、光るものはありつつスーパーヒーロー映画としてはまだまだ発展途上な感じがする。

ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)とローグ(アンナ・パキン)の年の離れた男女の不思議な関係性や、二人がたどり着くミュータントが集まる学園に集うサイクロプス(ジェームズ・マースデン)をはじめとした若きヒーロー達、そんな学園の長であるプロフェッサーX(パトリック・スチュアート)と人間達に牙を剥くマグニートー(イアン・マッケラン)の確執など、面白くなりそうな要素が沢山ありつつもどこか煮え切らない感じが最後まで続く。続編を見据えて色々と出し惜しみしてる気もするが、何よりせっかくのチームものなのに各々に全くシナジーが見られないところが残念なところ。皆終始深刻そうな顔をしていて仲間同士でリラックスしてる感じが一切無いので見ているこっちが緊張するし、全員が力を合わせるラストの自由の女神での戦いが、基本閉所な上に人質を取られた状態なのであまり派手に暴れることが出来ず地味な絵が続くのが痛い。

今作でいうミュータントはいわゆるマイノリティとして描かれていて、ヒーローとして賞賛されるどころか差別的な態度を取られたりして、自分の本質を周りに隠さなければいけないというのが興味深いところではある。ここら辺が全体的に暗めの空気感が続く所以でもあって、他のヒーロー映画にはない魅力になっているのも確か。ただ、その割にもう一つ踏み込んだ描写が見られないので、社会派としてもヒーロー映画としてもどっちつかずな印象になってしまっているのかなと思った。
決してつまらない映画では無いが、絶妙に歯車が噛み合わないまま終わってしまう感じ。ここから結構な長寿シリーズになったということは伸び代は充分にあったということなんだろうけど。
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