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ジュラシック・パーク IIIのTnTのネタバレレビュー・内容・結末

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 グラント博士が再び恐竜に出くわすように、自分もまたこの続編を観に来てしまった。一作目には敵わないが、目くるめく展開はやっぱ胸アツ。良いスリル感だから何回観てもいいと思える(子供の頃何遍も繰り返し観てたの頷けた)。

 揺れる水面タイトルクレジットからファンへの手厚い思いを感じるくらいには、今作はしっかり続編、しかも原点に帰って一作目へのリスペクトが多い。グラント博士が再登場していることもそうだが、グラント博士とエリックのやりとりに見る擬似親子関係や、雨が降った時が一番最悪な目に合うとか、恐竜の糞に手突っ込むことさえ、色々オマージュがあった。グラント博士が相変わらず資金難なのも微笑ましいし、金の話をちらつかせるとホイホイ着いて行ってしまうところもお茶目すぎ(金の話でニヤけた顔の次に飛行機が飛ぶカットの的確な笑い)。それでいて恐竜に襲われる夢見るぐらいにはトラウマを抱えているというのがまたね、良いんだよね、人間味あって。

 あと恐竜が出てくる時の恐怖感は原点回帰してちゃんと怖い。スピノサウルスに食われた人が持ってた電話が腹の中で鳴ってて、普通の軽い着信音が一気に恐怖に変わる異化効果。またこれが親子の再会に訪れるわけで、電話によって結び付けられたのにその要因が恐竜であるという絶望感が堪らん。しかも壁を挟んでいてと難ばかり。絶望でいったら普通に島から置いてかれそうになったクーパーもだな、しかも直後食われるし。ジュラシックシリーズは殺される人間がとことん惨めなんだよなぁ、こんな死に方は嫌だ大喜利だと思ってる。

 そんな感じで恐竜ばったりシチュエーション全部良かった、飛行機激突も、霧の中からも、雨の中も。特にこの雨のシーンは、電話でエリーに救助を頼もうとするのと、繋がった相手がエリーの3才の子供で、てんやわんやするという面白さもある。笑いつつもビビって、ビビりすぎて笑ってるのかもとも思えて、色々楽しい。エリーの家で流れる教育番組で流れるかわいい恐竜の着ぐるみとのギャップも良い(これが電話を切らずに引き止めるというナイスアシストでもある)。必死な姿は、一歩引くと面白いのだ。これがシリアスをぶち壊すということもなく、スピノサウルスの本気度(アニマトロニクスと火とがふんだんに使われているという力量からも)が窺えて超最高。

P.S.
 やはりサイトBことイスラ・ソルナ島の廃墟はやはり良い。廃墟好きなのもしかして、昔今作観たからかもな。
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