ハル

ドライヴのハルのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
3.8
ストーリー的には、大昔の映画「シェーン」と構造が同じである。流れ者が美しい人妻とその子供に関わることで厄介な揉め事に巻き込まれていく。そして、その過程で流れ者と人妻の間に愛が芽生える。ありがちな流れで特筆すべき点はない。

この作品が強烈な印象を残すのは、その狂気性とバイオレンス性においてである。一言で言えば、「北野映画のアメリカ版」。実際、この作品をご覧になったたけし監督自身も、「俺の映画と作り方がよく似ている」とおっしゃっている。

かつて、「ソナチネ」も、ゴダールの「気狂いピエロ」やルイ・マルの「鬼火」との類似点が指摘されていた。そう考えると、模倣は決して悪いことではない。質の高い作品からさらに質の高い作品が生まれる、その系譜を作ってきたのは、まさに模倣なのだ。
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