大好きなジョニートー作品の中でも"ヒーローネバーダイ""ザ・ミッション"と同時期くらいに撮られているハードボイルド映画。同監督ハードボイルド作品がアランドロンからの強い影響下にある静かな作風なのに対し、本作ではアンディラウ演じるお喋りな映画オタク殺し屋が主人公の一人という部分が面白い所だと思います。
本作を語る上でまず触れなければならない部分は、反町氏の怠慢のせいで他の香港スターたちが日本語を喋っているというぶっ飛び部分。これが他レビューにおいても異常に叩かれている部分であることは間違いないらしいです。しかし、自分はとりあえず吹替で見ました。笑
話を本編に戻します。本作は監督の持ち合わせている演出、それに加えてオタク心が炸裂し切っています。映画オタク殺し屋の登場シーンは、グラサンに花束を片手に持ち警察署を襲撃するというシーン。これって…"ターミネーター2"ですよね。そんな映画小ネタに満ちた作りが、猛烈なマイブームであるVシネに通じているようで個人的には嬉しいところでした。
監督が得意とする男泣き友情シーンもワンシーン刻み込まれていて、"エグザイル絆"での食事シーンを彷彿とさせられました。ガンアクションも本作では若干少ないように感じます。ただ、見せ方は流石だなと思いますね。銃弾の軌道が分かりやすく感じられるというか、アクションが異次元なものではなく頭にスッと入ってくる撮られ方をしているというのは他アクション映画でも珍しいと思います。今回は娯楽大好きなド派手殺し屋がいるおかげもあってか華を感じたりします。特にラスト。
渋さがないことで、監督ファンの間では好き嫌いが分かれるのは仕方ないことだとは思います。
