馬井太郎

ミザリーの馬井太郎のレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
3.8
甘い食べ物、たとえば、お汁粉などを作るとき、砂糖と一緒に、塩をほんの少々いれると、甘さがひきたってくる。昔は、スイカにも薄っすらと塗ったものである。相反する砂糖と塩の効果、子ども心に驚かされた記憶がよみがえる。

キャシー・ベイツの笑顔が、時に悪魔のように一変する。この変化が見どころのひとつとなっているなかで、ジェームズ・カーンは、彼女の親切心の中に少しずつその狂気を感じていく過程がおもしろい。

見逃しているかもしれないが、車椅子とか、岩をも打ち砕くような大きなハンマー、いつ準備したのだろうか。拳銃さえもあったのだから、広大なアメリカの雪深い僻地では、護身用に常備したのかもしれないが、彼女の異常な性格の一端ともいえるだろう。
キャシーが、家の前から四輪駆動車で町に向かう時のシーンが面白い。田舎ゆえに敷地が広いことを見せるためなのか、わざわざ蛇行しながら出ていく。まっすぐ素直に出ていけばいいではないか、と首を傾げるが(監督・ロブ・ライナーの笑みが画面の裏に見えてくる)。
1990年11月公開。25年経っても、色褪せない。
追記:見どころのひとつに加えていただきたい、アップシーンを。