このレビューはネタバレを含みます
大阪へ雲隠れした鼠小僧が三十石船で乗り合わせたお仙とできるけどお喜乃に鞍替えしてお仙のお蔭で難を逃れるお話。活弁の弁士が残念でした。
かなり話を端折っていて穴だらけの脚本でした。女たちと知らない間に話がついている。フィルム損失してるのかなと思ったり。細かい演出も少なく、死ぬために出てきた人たち。病気のおとっつぁんの設定は誰が始めたんだろう。
一方で撮影はしっかりしていて、前衛的でグッとくる表現も多かったです。お喜乃と別れるシーンや、陣太鼓の連打や御用提灯などなど。お仙がずっと同じ泣きっ面でちょっと辟易しましたが、次郎吉こと大河内傳次郎が画になる。
むしろプロトタイプなのかもしれませんが、今からすれば類型的な時代劇で、特に女性像はうんざりしましたが、その映像表現が心に残った映画でした。