Jaya

花籠の歌のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

花籠の歌(1937年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

銀座のとんかつ屋の湊屋の看板娘洋子と学生小野がくっつくのを中心にした群像劇。歯磨きはクラブらしい。

銀座の夜景はセットなのだろうか?最早見分けが付きません。人が惹きつけられる場所としての東京が描かれます。おてるが銀座に残っているとの一言で済ませる演出が心憎い。

父啓造や堀田や李さんなど、僅かな演出で立場や人となりを描き出すさまが余りに見事でした。洋子はあざとい気もしましたが、ヒロインなので…。

いい演技してる人ばかりでしたが、李さんこと徳大寺伸が特にいい味出していました。先走り過ぎな気もする李さんですが、当て馬に留まらなず物語に十分過ぎるアクセントを与えていました。

「4年後にすき焼き」とありましたが、その年には太平洋戦争勃発してるというのは複雑な気持ちでした。浜子の「いつになったらスタアになれるんだろ」は逆に微笑まし過ぎる。

ほのぼのとした諧謔と仄かな哀愁に包まれていて、短い時間の中に当時の人々が活写された名作でした。
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