「飛び立つ前、すでに鳥は死んでしまっていた」
無様な人間たち、なんて魅力的なんだろう。
電話ボックスの横で待ち続ける一人の警官。
土砂降りの中 泣き崩れ、散らばった化粧品をかき集める女。
みんな輝いて、輝いて、もうめちゃくちゃに泣いてしまった。
母の愛を知らない男はふらふらと。
そんな彼を愛した女が二人。
一方は「忘れたいのに頭から離れない」と虚ろに夜を彷徨い、一方は優越感に酔うのも束の間、「わかれうた」さながら泣き狂う。
「あんたも彼に捨てられたのよ」
女同士、言葉の決闘もまた素敵なのです。
そんな二人を愛した男たちは密かに。
「夢で会おう」とも「この1分を忘れない」とも言わず、ただ遠くから見守る。
「話し相手が必要なら、電話を掛けてくれ」
思い出した時にはもう遅い。
電話のベルは虚しく響く。
青々としたジャングルと対照的、気怠い日々を過ごす人々。
Days of Being Wild
野生になるときが近づいている。
毎度のことながら上映前は頭が痛く、
漢方を飲んだらむせて死にそうになったけれど、
そんなことはどうでもよくなった。
大胆なカットがどれも素晴らしくかっこよくて、ただならぬ色気と青さ(若さ)にほろ酔い。
この映画を劇場で観られたことが奇跡のように思います。
※コメント欄 自主閉鎖中m(__)m