マヒロ

エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃のマヒロのレビュー・感想・評価

3.0
前作でフレディからの襲撃を生き延びたクリスティンだったが、仲間からの警告により再びフレディが生き返りエルム街の子供達を狙っていることを知る。そんな中、クリスティンの友人であるアリスも標的となるが、彼女は夢をコントロールすることが出来る“ドリームマスター”であり、フレディと戦うことになる……というお話。

前作で初代主人公のナンシーからクリスティンに主人公が交代したように、今作でもクリスティンからアリスという少女に主人公が代わることになる。前作を踏襲してるようにも見えるが、クリスティン役のパトリシア・アークエットが降板しているので、そこら辺の兼ね合いという理由もありそうな気がする。
監督は後に『クリフハンガー』や『ディープブルー』なんかを撮る大味映画の巨匠レニー・ハーリンで、脚本は『LAコンフィデンシャル』や『ミスティック・リバー』といったミステリー映画で名を馳せるブライアン・ヘルゲランドというなかなか不思議な組み合わせ。

精神病院から普通の学校に舞台が移り、テスト中に居眠りしただけで殺されるなど、日常にフレディが侵食してくる感じが強くなったのは怖いところ。ただ前作ほどの殺しのアイデアの面白さはなくて、特に中盤辺りまではぼんやりとした展開が続くので少々退屈。クリスティンからアリスへの主人公引き継ぎをやたら時間をかけて描写しているのも冗長に思えた。
一番派手にやられるのはアリスのバイト先の友達のゴキブリ嫌いの女の子で、この子がやられる場面のアイデアと特殊メイクの気合いの入りっぷりが凄かった。よく考えるとそれまで劇中の出来事に対して関わってもないキャラクターで、ついでみたいなノリで一番悲惨な目に遭ってるのが可哀想過ぎるが。

殺された仲間たちの力を得てフレディに立ち向かうアリスは新主人公として魅力的で、ラストバトルもなかなか見応えあるものに仕上がってはいたが、とにかくそこに至るまでの立ち上がりが遅いのが残念なところ。ランタイムも短めだし、もうちょっとスピーディーに展開して欲しかったかな。

(2023.17)
マヒロ

マヒロ