マヒロ

カンフーハッスルのマヒロのレビュー・感想・評価

カンフーハッスル(2004年製作の映画)
3.5
巨大ギャング組織「斧頭会」を騙り相手を脅しているチンピラのシン(チャウ・シンチー)だったが、豚小屋砦と呼ばれる地区で床屋代を踏み倒そうとしたところ、貧しい身なりの住民達に一発でのされてしまう。そこにたまたま通りかかった本物の斧頭会を巻き込んで大乱闘が始まるが、実はカンフーの使い手だった住民達に本物のギャングですら返り討ちにされてしまう……というお話。

劇場公開時以来の再見。当時は『少林サッカー』で当時我々小学生男子のヒーローだったチャウ・シンチーの作品で、まさに期待通りのものを見せてくれたとなかなか興奮させられた記憶がある。
最初に斧頭会というギャングのヤバさを見せつけておきながらあっさりそれより強い存在が現れ、かと思ったらそれらを圧倒する者が出てきて……と、軽率に戦闘力がインフレしていく感じがまさに少年漫画という感じで非常によろしい。典型的な美男美女やマッチョではなく、寝巻きのおばさんとか便所サンダルのハゲ親父がべらぼうに強いというあたりも良い感じ。

理屈抜きで楽しめる作品であることは間違いないが、ストーリーの適当さが若干気になる。相棒の太っちょやアイスクリーム売りのヒロインなんかは途中で放って置かれて完全にいるだけの無意味な存在になってしまってるし、主人公のシンが活躍するのも最後の最後に少しだけなので物足りない。楽しいシーンをザックリ繋ぎ合わせただけという潔さは良いが、であればヒロインも相棒も全く要らなかった気がする。ちょっと上映時間も短めだし、想定してたより多めにカットされてるとか事情があるのかな…と勘繰ってしまう。
同じようにめちゃくちゃやってる『少林サッカー』はめちゃくちゃなりに筋立った話だったし、そこら辺綺麗に収まってくれてたらもっと好きな作品になってたかな。

(2022.165)
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