カエル王ちゃん

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのカエル王ちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
ニアサー後14年経った世界が舞台のエヴァQ。ヴィレのシンジへの出迎えは一様に冷淡で、この浦島太郎に丁寧にあれから14年経ってて、現在はネルフと戦ってるのを説明していれば、反発してネルフにいくこともなかったんじゃないかと思わざるを得ない。

ネルフに着いても相変わらずのゲンドウに綾波のようで綾波でない黒波など冷たい人ばかりだったが、そんな中優しく接してくれるカヲル君の登場。たしかに、こんな心細い状況下であんなにやさしくされたら、シンジでなくてもコロッといってしまいますねぇ。そしてエヴァに乗りたくないと久しぶりにゴネるシンジをなんなく説得してしまうカヲル君。もうこの時点ではカヲル君はカルト宗教の教祖様に見えて仕方がない。物凄い説法でシンジは信徒になってしまいました。

しかし、あまりにカヲル君に魅了され、ニアサーの原因が自分だったという罪悪感から逃れたいがために、抜くなと言われても槍を抜いてしまうシンジ。たぶん、他人目線でシンジをみれば、言わんこっちゃないと責める気持ちになるかもしれないけど、シンジ目線でQの状況下に身を置いたら、槍抜いてあの大失敗がチャラになるなら誰だってさっさと槍を抜きたくなる気持ちも理解できる気がする。

戦闘シーンに関しては、ついにエヴァ対使徒からエヴァ対エヴァの世界に突入。そんな中、槍を抜く直前のシンジ対アスカは或る意味夢のマッチメイクでしょうか。また冒頭の宇宙やヴンダーと戦ってるアレ、一体なんだったんだろう。ネルフが作った何かってことでいいのかな。よくわからん。

Qを観た時は、もうそろそろ風呂敷をたたまなければならないのに、こんな飛躍しちゃってどうすんだろうと心配しました。さらにヴィレ側で意味深なセリフをはくマリに対して、ネルフ側ではカヲル君が謎解きの問いなのか答なのかわからないことをいうので、伏線や気になることがどんどん増えて、フォースインパクトが起こっちゃった時みたいに「しっちゃかめっちゃか」感も増大。ただ、Qの役目としては、シンエヴァに向けてカヲル君の首を吹っ飛ばしてシンジをどん底に叩き落す、というラストへの下準備の任はきっちり果たし、やがて訪れるヒーローの覚醒と最終決戦の時を待つのでありました。