カエル王ちゃん

風をつかまえた少年のカエル王ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

所謂感動の実話ものであるが、その感動に至るまでの困難な道程を丁寧に描いている作品だなと、観てる時にも感じました。そして実際にマラウィに訪れて撮影したと知り、ディテールへの拘りに感心しました。ウィリアムが中学に入学し、晴れやかな空気に包まれたのも束の間、学費の未納だけでなく豪雨に干ばつ、村人の収奪や離散などはどれも心を折りかねない逆風を受け、風車を作る直前にもトライウェルの猛反対に遭うものの、パンフレットでマックウェル・シルバがウィリアム本人を「自分がやりたいことを貫こうとする」人と評するその精神が村人を風車の許へと導く。大団円は無論感動ものであるけど、それを際立たせる、マラウィの、或いはウィリアムの家族を通じてアフリカの苦難の縮図を細やかに描いた点はドキュメンタリーとしても高い価値を持つ作品だと思いました。