このレビューはネタバレを含みます
だいぶ前にテレビで中途半端に観た覚えがあって、この度改めてアマプラでちゃんと観てみました。
中国古典には「胡蝶の夢」という、現実か夢か区別がつかない故事がありますが、その趣旨を近未来的に描いたって印象を受けました。公開は1999年でそこから20年以上経過しましたが、世界観、設定は古臭くなく、アクションも見応えありました。古典を近未来風に描いたという意味でも、また今見返しても斬新さが色褪せないという意味でも温故知新という感じを受けました。
それに加えて、描いているのは近未来風の世界での戦いですが、最後ネオが救世主として覚醒するのは、トリニティもキスの力というのがメルヘンチックでもあり、多層的な面白みが感じられました。
エージェントスミスがモーフィアスに話す中で、人間とウイルスは似たもの同士と指摘してましたが、言われてみれば確かに際限なく増殖していく同類かもしれませんな。しかしながら、ウイルスが増殖するには人間を媒介とし、寄生せねばならぬので、同じなようで違うような。むしろ、人間を電池としてシステムを稼働するために或る意味寄生しているマトリックス世界を生み出すシステムの方が、ウイルスと立場が似てるように思い、エージェントスミスに反論したくなったw。
あとあの予言者は、現実の世界上でどこにいる存在なんでしょうね。やはりシステムから脱却した存在なんでしょうけど。またネオは救世主じゃないといい、トリニティが愛する人が救世主ともいうので、結局のところ誰が救世主が決めるのは予言者じゃないじゃんてつっこみも浮かんだり。