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エージェント・マロリーのRのレビュー・感想・評価

エージェント・マロリー(2011年製作の映画)
4.0
ソダーバーグ再び。あまり評判を耳にしないので面白くないのかな、と思ってたけど、やっぱ何や言うてソダーバーグ、確実に一定以上の品質を保証している。素晴らしい。映画としてそれほど記憶に残る作品であるとは言い難いかもしれないが。映像と音楽と編集だけは最高にスタイリッシュで気持ちいい。こんなシャープにカッコよくジャンル映画をビシッと決めれる監督もそうそういないでしょう。ストーリーは、結構終盤まであんまりよく分かりません。冒頭、いきなりエージェントマロリーがカフェでアーロンという男と殴り合いを始め、すさまじい殴る蹴るの末、彼をブチのめし、そこにいた客の車に無理やり乗せてもらって運転させながら、何でそんな騒ぎにになったか、それまでの経緯を話していくというスタイルで話が進んでいく。まず、政府の下請け企業からエージェントマロリーにタスクが依頼される。バルセロナで悪者の人質になってるアジア系の男を救出せよとのこと。で、その作戦が、セリフなしのめちゃめちゃカッコいい音楽と映像の切り返しだけで淡々と展開していくから、一瞬何じゃこりゃ⁉︎ってなります笑 ちょっぴり漂うミッションインポッシブル感がステキ。何と言っても本作の魅力は、マロリーを演じるジーナカラーノの美貌とタフさを兼ね備えた、男からしたら理想か悪夢か無関心のどれかにしかならないようなとんでもなく極端な存在感。めちゃめちゃカッコいいというは誰しもが認めるところでしょう。そして、次から次に現れる豪華な男性キャスト! ゴージャスすぎてそれだけで何杯もいける! 個人的にはチャニングテイタムが今まで見た中で一番魅力的に見えた。シュパっと切れた目がサイコーにカッコいい。すんごい豪華キャストのなかでジーナカーラは本作が映画初出演だとか。まったく霞まないどころか、いちばんのインパクトになってるのがすごくて、何者であろうかと調べてみたら、元総合格闘家らしいです。ナルホド。で、お次のミッションはMI6の男の妻のフリをして、ある邸宅のパーティーにお邪魔し、そこでスパイ活動を行うというもの。しかし、そのミッションの開始時点で彼女はすでに計画の怪しさに気づいており、MI6の男をだましてコッソリ探りを入れたところ、彼女に対する裏切りの計画が存在してることに気づき、黒幕を特定するためにアクションに次ぐアクションをくぐり抜ける! という流れ。派手な格闘アクションシーンを、ものすごく淡々と演出していくのはいかにもソダーバーグらしく、地味だ、無味だ、という人もいるだろうが、個人的には逆にクールでシャープですごくいいと思う。映像と音楽が隅々までカッコいいのがサイコーに嬉しい! 何かこの人の映像って独特のツルッパキッとしたクリア感があるよね。すごく好きです。若干混み入ったストーリーだが内容的にもそこそこ面白いし、終わり方のバッサリ感も爽快。もう一回ジックリ見ようかな、とはあまりならないかもしれないが、何か適当なパーティーとかの折に、キレイな部屋の大画面で流しといたら、めちゃめちゃオシャレな空間演出となり、気づけばみんな釘づけになっちゃってたみたいになること請け負い、そんな感じの映画です。まぁやっぱソダーバーグなんでね。腐ってもソダーバーグ! いや、腐ってないけど!
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