すいか

バッファロー’66のすいかのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
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まさか映画館で観られるとは…!人生は何があるかわからない。

愛に飢え、寂しがり屋で臆病な、少年のような男ビリーが、通りすがりの(というか拉致した)少女レイラと出会った1日を描くロードムービー。行動を共にする中で、ビリーは、レイラに少しずつ心を開いていく。

私は中学〜高校生の頃、L'Arc〜en〜Cielのファンであった。彼らの出るラジオ番組も欠かさず聴き、新曲初オンエアの日を待ち侘び、ダビング(もちろんカセットテープ)し、発売まで繰り返し聴いていた…
で、どこでこの作品とラルクに関わりがあるかというと、ラルクの2001年発表のアルバムに収録されている「anemone」という曲のMVを撮ったのが、ヴィンセント・ギャロであったのだ。ラジオでも、撮影裏話を話していた記憶が、うっすらある。そこで初めて私はヴィンセント・ギャロという名前を知り、公開当時大ヒットしたという本作の監督であることを知ったのである。

結局本作を観たのは大学1年の時であり、まだまだお子様だった私は「よくわからない映画だな」というぼんやりした印象を持ち、ラスト5分くらいだけ息を呑み、安堵した記憶が残っただけだった。
久しぶりに観て、ビリーってこういう男だったんだな、とか、この映画、ほとんど音楽がなかったんだな、とか、やっぱりラストシーンは印象的だなとか、発見がたくさんあって面白かった。今回映画館で再上映されなければ、きっと当分観ることはなかっただろう。こうやって記憶からこぼれ落ちてしまった作品や思い出は、映画に限らずたくさんあるんだろうなあと、しみじみ思った。
ボーリング場でのレイラのダンス、スピード写真機での2人、親友に電話をして、ハートのクッキーとラージサイズのココアを買うビリーの顔。好きなシーンだけでも忘れずにいたい。
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