クレセント

過去を逃れてのクレセントのレビュー・感想・評価

過去を逃れて(1947年製作の映画)
4.1
彼女に会った? ああ。 昔のように? ただ会っただけだ。また会うの?
ああ、今夜もう一度だけ。彼女を見て!そして貴方の心に聞いて!愛のかけらが残っていないか確かめて!そして彼女とは終わりだとわかったら私のところに戻ってきて! 確かめるまでもないさ。でもそれを聞きたいわ。幸運と愛は同じだ。すぐには見つからないさ。探し続けるのよ、ダーリン。

男の素性はわからない。そんな男を愛してしまった娘。幾度も男の愛を確かめる。つれなければつれないほど身を焦がす。男はあの女とけりをつけようとしていた。あの一度は惚れた女のところへ。裏切られても募る心は簡単に消し止められない。いやできればやりなおしたい。そう思っていた。しかし思いもよらぬ結末が待っていた。男は最後の決断をした。そして静かにダイヤルを廻した。男が本当に娘のところに戻ろうとしたのかはわからない。しかし愛した女への未練を断ち切ろうとしたことは確かなのである。男が未練がましいことは世の通説である。
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