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ペイルライダーのクレセントのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
4.0
クリスチャンならだれでも知っている「ペイルライダー」をタイトルに持ってきた監督のイーストウッドはどうしようと思ったのだろうか。黙示録の4騎士の最後のペイルライダー。案の定、彼は青白い馬に跨って登場したガンマンである。その前段で村人たちが平和に暮らしているところ、まるで黒澤明の七人の侍よろしく、馬に乗った野武士たちが村を焼き払う。少女が大事にしていた犬が撃ち殺され、少女が祈った。「神様。助けに来てください。」そして、少女が仰ぎ見るとそこにはペイルライダーが遠くからその様子を見ていたのだった。彼が少女の自宅に招かれると途端に牧師のいでたちで夕食に現れた。少女の母親も彼の姿に一目惚れ。それからの彼は村人の信頼を勝ち取り、村人を追い払おうとした悪徳商人一家と対決していくのだった。そしてすべてが終わった。ペイルライダーは止めるのも聞かず悠然と去っていく後ろから少女が、「戻ってきて、」と叫ぶのである。この辺はまるでアランラッドのシェーンを連想する幕切れである。ところで意味深なところがあって、彼が裸になったときに、背中に6つの銃弾の後があった。そして彼が最後に対決した(これも悪徳保安官だが)この保安官が彼を見てびっくりした顔をした。それは自分が殺した男だとわかったからで、生き返った男が復讐に来たといった顔がありありである。結果はペイルライダーが早撃ちで保安官に6つの銃弾を撃ち込んだ。黙示録を読まないとわからぬ結末だが、まあいいとするか。それにしてもその昔、TVで見ていた西部劇ドラマ「ローハイド」の時からイーストウッドはカウボーイだった。この映画でも悪徳保安官が悪徳商人に聞いたセリフ「そいつはどんな男だ?」。それにこたえる商人が言った。「痩せた背の高い男だ。」そうなのだ。モテル男の代名詞は「痩せた背の高いオトコ」。これは古今東西、今でも変わらないのである。背が低かったり、太っていちゃダメなのである。
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