ペコリンゴ

八仙飯店之人肉饅頭のペコリンゴのレビュー・感想・評価

八仙飯店之人肉饅頭(1993年製作の映画)
3.5
記録。
学生時代、本作のDVDをレンタルした友人が「ヤバイ、ヤバイ」と騒いでたのをキッカケに、ちょっとしたブームになった事がある。

今でこそ、ちょっとやそっとのグロやホラー映画に対して必要以上の耐性があるけど、当時はビビリでいたいけな小心者の僕。絶対に観ないと決意したのも今や昔。

あれから十数年、気まぐれで手にした本作は噂通り、残虐な暴力表現がかなりの割合を占め、なかでも終盤の惨殺シーンの嫌悪感はかなりのもの。

とはいえ、事件を追う警察の人間は対極的に非常にコミカル。
日替わりで違う女を同伴して署に来る部長。
その女に色目使ったり、お前ら童貞かよ?と思ってしまうくらいに食い付く部下たち。そんな野郎どもにまぁまぁ酷めのセクハラを受ける紅一点。
こんな奴らに任せて大丈夫なのかw
まぁでも彼らのおかげで陰惨な雰囲気が大分緩和されてるのは事実。

何が怖いって、これが完全なフィクションではなくて、現実に起きた事件をベースにしてるってこと。食べた人は一生もののトラウマを背負うことになっただろうことは想像に難くない。

あと、やっぱり大きな見所としては、主演アンソニー・ウォンの鬼気迫る演技(彼自身は本作嫌いみたいだけど)。序盤からその顔つきにヤバめな香りが充満する。さすが香港アカデミー賞で主演男優賞獲っただけのことはある。ていうかこの類いの映画がアカデミー賞って驚き。